山本太郎代表
日本政府は8月2日、韓国に対して輸出管理上の優遇措置を受けられる「ホワイト国」除外を閣議決定すると、韓国側も「我々も日本をホワイト国から除外し、WTOへの提訴準備を進める」と表明。さらなる日韓関係悪化で日本製品不買運動や訪日韓国人観光客減少などに拍車がかかることが確実な情勢だ。
閣議決定前日の1日、参院選で2議席獲得をした「れいわ新撰組」の山本太郎代表が新宿駅西口で街頭演説を行った。気温は30℃近く、非常に蒸し暑い夜だったが、駅前を埋め尽くした聴衆たちは熱心に耳を傾けた。
山本代表は次の衆院選での政権交代を呼びかけた後、聴衆との質疑応答(記者会見)に臨み、日韓関係悪化を招いている安倍政権(首相)の強行姿勢について「小学校高学年くらいの考え方はやめましょう」と批判。「日本にとって韓国は、年間6兆円も儲ける貿易黒字国」と指摘しながら「冷静に行こう」「もっとうまいことやろう」と、成熟した国としての紳士的対応を求めた。
野党第一党・第二党の、枝野幸男・立憲民主党代表と玉木雄一郎・国民民主党代表が、日韓関係悪化問題ではストレートな安倍政権批判を控える中、山本代表は踏み込んだ発言で安倍政権(首相)を一刀両断した。
韓国をホワイト国から除外する閣議決定前日(8月1日)に、ホワイト国除外反対を訴える韓国国会議員団が玉木雄一郎・国民民主党代表や福山哲郎・立憲民主党幹事長ら野党国会議員と面談。面談後、記者会見に応じた。自民党側は予定されていた二階幹事長との面談をキャンセルした
山本代表は、ナショナリズムを煽る政治手法が日本の国益を損ねていることを、データを示しながら次のように訴えかけた。
――(参加者)いま僕が太郎さんに伺いたいのは韓国との問題です。徴用工の問題があったり、日本が輸出の規制をしたりしていいます。日本がアジアのリーダーになるのだったら、やり方が間違っているのではないかと思っています。太郎さんはどう思いますか。
山本代表: 日韓関係、「これが悪化して喜ぶのは誰だ」ということですよ。申し訳ないのですが、アジア諸国に対してあまりいい感情を持っていない人たちがいるというのは知っています。いろいろな思いがあるのがあるのは分かります。
けれども「国の場所は動かせない」ということです。同じ町内に自分の苦手とする人がいて、「我慢がならない」と引っ越しをすることは可能だけれども、国の位置は動かせないのでしょう。だとしたら、うまくやっていくしかないのです。
それでね、「舐められてたまるか!」「ぶっ潰してやれ!」というような小学校高学年くらいの考え方は止めましょうということなのです。誰も得をしない。
いろいろなことを鑑みて、「これはうまくつき合った方が絶対に得なのだ」ということが言えるものをこれからご覧に入れます。(モニターの画面にデータを提示)
日本から韓国への輸出総額は6兆円(2.8兆円の黒字)ですよ。この6兆円がなくなってもいいと思うなら、好きなことを言ってください。でも私は、そのような感情よりも6兆円という利益を大事にしたい。皆さん、どうですか。
ナショナリズムを煽りながら「あの国がどうだ、こうだ」とどんどん煽りながら、自分たちがやっている政治のマズさにベールをかける。内政の行き詰まりを、ナショナリズムを使って隠そうとする政治。まさに、今じゃないですか。うまくやるしかないじゃないですか。その利益(輸出額)が6兆円もあるんですよ。