あのオバマも食べた!「フォー」じゃないベトナムの麺料理って知ってる?

ブン・チャーのセット一式

一般的なブン・チャーのセット一式。ビールにも合う

日本でお馴染みの「フォー」以外のベトナム麺、知ってますか?

 国内外でベトナム中部の観光が注目されている。  港湾都市のダナンなら日本から直行便があり、また古都のホイアンやフエなど見所が多い。物価も安く、中部はここでしか食べられないベトナム料理というのも少なくないので魅力がある。  とはいえ、ベトナムにおいては料理は北部だと言う人も多い。南部の都市ホーチミン在住の日本人は、「北部は12月から3月ごろは寒くなり、野菜など得られる食材が少なくなります。だから、長い歴史の中で創意工夫がされ、ベトナムの北部料理は南部料理に比べておいしいのだと思います」と言う。  しかし、実際にベトナム料理と聞いてぱっと数種類でも思い浮かべることができる人も少ないのではないだろうか。  タイ料理と混同している人もいるだろうその中で、おそらく最も有名なベトナム料理と言えば「フォー」だと見る。フォーは米粉から作られた麺である。
フォー

こちらは日本でもお馴染みの「フォー」。牛肉入りが人気

 今、日本はタイ料理ブームと言っても過言ではないほど国内にタイ料理店が増えている。そこに必ずあるのがタイの米粉麺「クイッティアオ」だ。この名前も「パクチー」に並んでかなり浸透していると見るが、20年以上前の日本のタイ料理店ではクイッティアオはベトナムから輸入したフォーで代用していた店が多い。当時の日本にはタイ食材の輸入代理店が少なかったからだ。それほどフォーは昔から日本にあったのである。  ベトナム北部の中心地であり、首都でもあるハノイでフォーを食べると、さすが地元といった感じで、おいしい店がたくさんある。ハノイで45年続く名店「フォー・ティン」は日本人からも絶大なる支持を得ており、2019年3月には池袋にも支店が誕生している。  ただ、日本ではフォーの知名度が圧倒的に高くはあるが、ベトナム料理には多数の麺料理が存在するのも事実だ。そのうち、ハノイ発祥とされる麺料理もまたおいしく、日本人の口にも合う。ハノイを訪れた際にはそういったこのハノイ発麺料理も堪能していただきたい。  その麺料理とは「ブン・チャー」というものだ。

「ハノイ式つけ麺」的な麺料理がベトナムでも大人気に

 ブン・チャーは「ブン」という麺を使った料理で、いわば「ハノイ式つけ麺」といったところか。たっぷりの野菜と炭火焼きの豚肉などがセットになり、ボリュームも満点である。店によって価格帯は違うが、安いところでは200円レベル、高いところでも500~600円程度だ。
ブン・チャー

普通の食堂で注文したブン・チャーもやはりボリューム満点だった

 このブンというのは、フォーと同じように米粉が原材料ではあるが、製法がまったく違うという。米粉を水に溶き、微発酵させたのちにところてんを押し出すようにその溶液を湯に落として成型する。一見、日本の素麺のようだが、そのままの状態だとベタベタとくっついた状態になっている。  この麺を、たっぷりの炭火焼きの豚肉や肉団子などが入った甘酸っぱいスープをかけて食べる。スープがかかると麺はさらさらに崩れ、食べやすくなる。お好みで載せる野菜や香草と共に頬張ると、なんとも言えない至福の瞬間が訪れるだろう。
ブン・チャーの食べ方

ブン・チャーの食べ方は小鉢に麺や具を盛り、スープをかける

次のページ
オバマ元大統領も食べた!
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会