最大金利9%のベトナムで銀行口座を開いてわかった「意外なハードル」とは?
前回から、ベトナムで銀行口座開設を試みている筆者。在越日本人ビジネスマンの浅野彰と現地民泊ホストのファムの情報を頼りに、本当に住んでもいない日本人が銀行口座を開けるのか試しているというわけである。
【前回記事】⇒定期預金の利子が8%のベトナムで銀行口座を開くには?
その前に閑話休題。ベトナムと言えば、ベトナムコーヒーである。練乳を入れて、甘くしあげた「ベトナムコーヒー」で知られているが、そのためもあってか街のいたるところにコーヒーショップが見られる。
筆者が泊ったコンドミニアムの一階にもあり、たとえば「ココナッツミルクコーヒー」とか「ヨーグルトコーヒー」など、日本ではお目にかかれないラインナップが揃っている。
コーヒーにヨーグルトを入れるなど、考えたこともなかったが、実際に試してみると意外にあっている。甘党限定だが、このコーヒーを味わうだけでもベトナムに行く価値がある。それぞれ一杯3万ドンなので、日本円で約150円ということになる。
そうして朝一杯のコーヒーを飲んだ後、筆者は意を決して銀行に向かった。向かった先は同じくコンドミニアムの一階「BIDV」銀行である。ベトコンバンクというのは、名前からしていかにも強くてしぶとそうだが、一番近くにあった銀行と言うだけで、他意はない。
緊張しながら銀行に入ると、女性行員がいて、「What can I do for you?」と声をかけてくれる。以前紹介した宮内氏のブログの通り、確かに英語が通じる行員がいる。
「あのう、こちらで銀行口座を開きたいのですが」
すると、「なぜ、あなたはベトナムで銀行口座を開きたいのですか?」と聞き返された。なぜ、と正面切って聞かれたので、正直に答えるしかなかった。
「これからも何回もベトナムに来ると思いますし、利率が日本より全然高いと聞きまして」
正面切って聞いてきた割には、この女性行員はそれほど筆者の答えに興味がある様子ではなかった。
「それでは、パスポートを出してください」
筆者はパスポートを渡し、ひきかえに申し込み用紙らしきものを渡してくれた。そこに名前、パスポート番号、住所、その他もろもろを書いていく。
「電話番号ですが、日本の携帯番号ではダメですか?」
「ダメです。電話番号は、ベトナム国内のものでなければなりません」
どのみち数日後には出国してしまう筆者の「ベトナムの番号」を控えてどうするのだろう、という疑問はないでもないが、とにかくベトナムの電話番号を書き込んだ。
その間に、この女性行員は筆者のパスポートのコピーを終えたようだ。
「それでは、デポジットとして5万ドンをいただけますか?」
5万ドンということは、250円くらいだ。異存のあろうはずがない。すぐに筆者は財布から5万ドンを取り出した。
「というよりも、5万ドンだけ預けていてもあんまり意味がないから、これも一緒に預かっていただけませんか?」
いかに一年の定期の利率が7%でも、5万ドンに7%では全然嬉しくないではないか。
筆者は日本円の一万円札とベトナムの20万ドン札を取り出した。しかし、先方の返答は予想外だった。
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