最後に、電ファミニコゲーマーの記事で、個人的におすすめする記事を簡単な解説とともに掲載しておく(本文中で紹介した記事は省く)。
どういった記事を面白いと思うのかは、好みや興味の方向性によって違う。電ファミニコゲーマーには「
殿堂入り記事」という、ネットでバズった記事のまとめページもある。自分の好みの記事を探したい人は、このページを見るとよいだろう。
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【ゲームの企画書】リアルを舞台に数千人規模でゲーム…そんなのは約30年前に存在した! 「蓬萊学園」狂気の1年を今こそ語りあおう【新城カズマ×齊藤陽介×中津宗一郎 】
私はTRPG畑の出身で、学生時代は郵便ベースのプレイバイメールを個人で主催していた。そのため、「蓬萊学園」という巨大コンテンツには少なからず影響を受けている。その「蓬萊学園」の裏側について、これでもかという分量の濃いインタビューが掲載されている。
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【マイケル・ジャクソン没後10年】ゲーム『ムーンウォーカー』に魂を込めたキング・オブ・ポップと、彼を支えたセガスタッフの交流を振り返る
私はマイケル・ジャクソンが好きだ。高校時代にはまり、CDやDVDを多く持っている。そのマイケル・ジャクソンの没後10年に合わせた、マイケル・ジャクソンとセガスタッフの交流についてのインタビュー記事だ。マイケル・ジャクソンとゲームの関わりについて、多くの逸話を読むことができる。
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『FFタクティクス』松野泰己✕『FFXIV』吉田直樹対談──もはやゲームに作家性は不要なのか? 企画者に求められるたったひとつの資質とは?
私が同人やインディーで作っているゲームの多くは、シミュレーションRPGやRTSといった戦争ゲームだ。当然『伝説のオウガバトル』や『タクティクスオウガ』には少なからぬ影響を受けている。そうした人間の目から見て、非常に面白くて参考になる対談記事だった。
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マニア垂涎! ゲームのレアなお宝がゴロゴロ。中古ショップBEEPの巨大倉庫にはゲームの歴史が眠る…元ファミ通・名物編集長と行ってみた
レトロPC・ゲーム、アーケード基板・筐体のお店「
BEEP」の記事。大量の懐かしいアイテムを取り扱っているお店の倉庫に侵入したレポートだ。こちらの
BEEPの通販部では、私の小説『
レトロゲームファクトリー』や、同人ゲーム、同人技術書を取り扱ってもらっている。
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『魔法大作戦』や『バトルガレッガ』…眠れる名作オールドゲームを現行ハードへ――“移植”の匠集団「エムツー」に聞いたゲーム保存事情【移植希望タイトル募集!】
レトロゲーム移植の匠集団「
エムツー」のインタビュー記事。個人的に『
レトロゲームファクトリー』という小説を書いていることもあり、こういう世界があることは、もっと知られてもよいと思っている。
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麻薬より安全…違法コピーのゲームがマフィアやテロの美味しい資金源に! 21世紀に新興国で拡大、ブラックマーケットでもゲームは大人気【世界は今日もゲーマーだらけ:佐藤翔】
海外のブラックマーケット市場の話。ゲームというビジネスを、日本とは違う面から見る興味深い記事。新興国のゲームビジネスは普段メディアに出てこない。こうした記事も載っているのが面白い。
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ジブリ鈴木敏夫Pに訊く編集者の極意──「いまのメディアから何も起きないのは、何かを起こしたくない人が作っているから」
ゲームメディアなのになぜ? と思うところだが、ドワンゴ、川上量生氏の線で、ジブリとの接点があるために実現したインタビューだろう。かなり突っ込んだ話になっており、メディアとは何かということを考えさせられる。
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王 貞治、長嶋茂雄、田中将大、大谷翔平……球界のレジェンド・野村克也が『パワプロ』各選手&自身の能力データをボヤキながら分析してみた
これは、よく実現したなと感心したとともに、解説の充実ぶりに驚嘆した記事。こうしたインタビュー記事をまとめられるメディアは少ない。メディアの力を感じさせられた。
<文/柳井政和>