苦境のドワンゴから分離したWebメディア、「電ファミニコゲーマー」の良質な「濃さ」

電ファミニコゲーマーtop

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電ファミニコゲーマーとは

 仕事柄、そしてネット好きの人間として、日々多くの記事をネットで読んでおり、そのいくつかはメモしている。そうした記録は年を追うごとに増えているのだが、その中でも特に多くの記事を記録しているサイトがある。  最初のうちは何気なく書き込んでいるのだが、そのうちそれらが同じサイトのものだと気付く。そしてあるタイミングで良質なサイトなのだと理解する。そうして発見したサイトのひとつに「電ファミニコゲーマー」という奇妙な名前のサイトがある。  ゲームメディアの「電」撃「ファミ」通ニコニコ動画の niconico の「ニコ」、協力メディアの4Gamer.netの「ゲーマー」。合わせて「電ファミニコゲーマー」。  現在多く見られる細かくページ分割しているサイトとは違い、長文がよく掲載されている。それも、長いスクロールの下まで来ると、「えっ、次のページがあるの? というか、この長さの記事があと数ページもあるの?」と驚かされることがよくある。それも、ただ長いのではなく、濃い。  電ファミニコゲーマーは、ゲームのサイトである。しかし、単なるゲームの情報が掲載されているだけではない。ゲームにまつわる人や文化に深く切り込んでいる。そして過去に触れられてこなかった人や話を引っ張り出して読ませてくれる。  同サイトは2016年2月に創刊した。先日まではドワンゴの運営だったが、2019年6月30日をもって、ニュースメディア事業を株式会社マレに事業移管した(参照:電ファミニコゲーマー)。社長は編集長の平 信一氏。TAITAIの名前でも知られる平氏がこうしたメディアを立ち上げたのは、元カドカワ代表取締役社長の川上量生氏との関係が切っ掛けになっている(参照:ねとらぼ)。  良質な記事が多いことは先述した。その中でも、特に貴重なのは「ゲームの企画書」という一連の超ロングインタビューだ。ただのゲームについてのインタビューではない。これまでメディアで語られていなかったり、まとめられていなかった話がゴロゴロと出てくる。  どの記事が興味深いかは、人によって違うだろう。私の場合、最初に引きつけられたのは『信長から乙女ゲームまで… シブサワ・コウとその妻が語るコーエー立志伝 「世界初ばかりだとユーザーに怒られた(笑)」』という、コーエーの襟川夫妻の超ロングインタビューだった。どこを切り取っても面白く、ドラマ化して欲しいと思った。  次に驚いたのは『【全文公開】伝説の漫画編集者マシリトはゲーム業界でも偉人だった! 鳥嶋和彦が語る「DQ」「FF」「クロノ・トリガー」誕生秘話』というインタビュー記事だ。「DQ」「FF」「クロノ・トリガー」その線を繋ぐ、出版業界の伝説の編集者。当時少年だった自分が体験したゲームの背景を知り、答え合わせをしているような気分になった。  他にも個人的に記録している記事は多い。私のおすすめの記事は、この記事末にまとめておく。私自身、『レトロゲームファクトリー』という、レトロゲームの移植会社を舞台にした小説を新潮社から出している。また、インディーゲーム開発者として、Nintedo Switch 向けのゲームを一人で作っている。そのため同サイトの記事は、興味を持って読みふけってしまう。

クラウドファンディングで資金を募集

 そうしたサイトが、ドワンゴの事業整理によって独立した。そして、クラウドファンディングによる資金募集を開始した。CAMPFIREにて募集している「世界征服大作戦」というクラウドファンディングには、この記事執筆時点で158名のパトロンが付いている。  メディアを運営するにはお金が掛かる。雑誌のように本を売るのではなく、ネットで無料で記事を公開するなら、どこかで制作費を回収しなければならない。一番大きな部分は広告になるだろう。それに加えて安定した収入を得るためにパトロンを募集したというところか。 「世界征服大作戦」のページを見ると、単なるパトロン募集というよりはファンクラブやオンラインサロン的な色彩が強い。ファンクラブ限定チャットや、取材の質問案の募集、編集部への参加などが、協賛リターンとして掲載されている。ネットとリアルの接点を作り、何らかのムーブメントを仕掛けたい。そうした意図があると感じている。
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クラウドファンディングは「ニッチで濃いメディア」を救う!?
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