小中学生の夏休みが始まった。長い休みに心躍る子どもたちとは対照的に、「食事はどうしよう……」と保護者は頭を抱える。
食の出張サービスを運営する「シェアダイン」が7月10日に発表した
調査結果によると、「自宅での『食事作り』が最も大変な時期」の1位は「夏休み」(28%)だった。
大変だと思う理由で最も多かったのが、「食材・メニューが偏りがちで、子どもの栄養バランスが不安」(31%)だった。「献立やメニューを考えるのが大変」(27%)や「食事作りの回数・量が増える」(25%)が続いており、食事づくりに悩む保護者が多いことがうかがえる。
調査は今年6月26日~30日、インターネット経由で実施。小学生の子どもを持つ全国の保護者を対象に「夏休みの食事づくり」について質問し、300人から回答を得た。
夕食時、翌日の朝食と昼食を準備。とにかく忙しい……
小学生の子どもを持つ田中さん(仮名、30代女性)も、夏休みの食事準備に困っているひとり。日中は働いているため、調理の手間がかからない麺類を並べることが多い。
「パスタは麺だけをゆでて、ひとり分ずつ冷凍保存しておきます。ソースは作り置きしましたね。素麺もゆでたものを冷蔵庫に入れて、温めればすぐに食べられるようにします」
働きながら子どもの食事をつくるのは楽ではない。田中さんは、夕食時に翌日の朝ごはんと昼ごはんの両方を準備する日々を送った。
田中さんのお子さんは、近所にある子ども食堂を使うことがある。しかし、通常は夕方から営業するため、昼間に利用できない。「もしランチの時間帯に開いているお店があったら……」と本音を漏らす。
田中さんに「夏休みの食事について、どのようなサポートがあったら嬉しいか」を聞くと、「学童でお昼ごはんを頼めることですね」と答えてくれた。
「子どもが転校前に通っていた学童では、週に3回ランチが頼めたんです。児童たちがみんなで作っていたこともありましたね。親としてはかなり助かっていたので、こうした動きがもっと広がったらいいのになと思ってます」
夏休みの食事提供に力を入れる自治体も出てきている。奈良市では2018年の夏休みからお弁当の提供を始めた。このような取り組みが全国的に広がれば、夏休みの食事準備の負担は大きく軽減する。