では、どんなトレードが有効か?
「私はGW中に、直近安値を割り込んできた61ドル前後で売り、50ドル台半ばで半分だけ利確しました。原油はトレンドが出やすいので、直近高値・安値更新についていくような順張りが有効。原油に触ったことのない投資家は、5日、25日、75日といったポピュラーな移動平均線を表示しての順張り投資から始めるといいでしょう」
国際情勢を見つつ、トレンド系の指標と合わせて取引するのがよさそうだ。ちなみに、今後の原油相場を江守氏はどのように見ているのだろうか?
「上昇しても70ドル台ではないかと見ています。下落トレンドが明確になったところでは、売りを入れていくのが賢明。値上がりしても70ドル前後は売り時。ただ、初心者は下落したところを売っていくのがよいでしょう。トレードの際には原油のボラティリティの高さに要注意です」
取引の際には、しっかりリスク管理を行うべし!
<今後の原油相場を読むうえで押さえておきたいこと>
●毎週木曜日0:30(夏時間は水曜日23:30) EIA週間石油統計「原油在庫」
米エネルギー情報局(EIA)が、前週金曜日時点の国内在庫を発表。原油在庫のみならず、ガソリンや灯油の地域ごとの在庫も発表される。最も重視される原油在庫は増えると原油価格の下げ材料となり、減れば上げ材料となる。事前予想と比較して多いか少ないかもポイントに
●毎週水曜日6:30(夏時間は5:30) API週間石油統計「原油在庫」
米石油協会(API)が、前週金曜日時点の在庫を発表。政府機関のEIAと異なり、APIは業界団体にすぎず、データの正確性が劣るものの、翌日に発表されるEIA週間石油統計の動向を予想するうえで注目されやすい。大幅な原油在庫の増減や予想値からの乖離が見られたら、原油価格を左右することも
●アメリカとイランの対立
イランが’15年に締結した核合意について履行の一部を停止し、原子炉や核兵器に使用される高濃縮ウランの生産再開方針を示したことを受けて、トランプ大統領がイランに対する経済制裁を発動。イランの原油は全面禁輸となり、原油供給量が減少⇒価格上昇に。対立深刻化は原油価格の上げ材料に
1 下落トレンドが出たら売りを入れていく
2 6月末のOPEC+後、上下に触れる可能性あり
3 トレードするときはボラリティの高さに注意
【江守 哲氏】
エモリキャピタルマネジメント代表。住友商事に入社後、非鉄金属取引に従事。三井物産フューチャーズ、アストマックスを経て現職。現在、ヘッジファンド運用も手掛ける
― [カラ売り]の奥義 ―