英語を覚えても話せない……。重要なのは「ジェスチャーの読解力」だった!

出身地や趣味まで当てられるように

 こう聞くと「なんだそんなことか」と思う読者の方も多いだろう。しかし、この「ランピーダンピー」、意外と難しいのでぜひ試してみてほしい。  たとえば筆者はEさんの鼻を指すジェスチャーを「私は鼻が高い」と解釈してしまったが、これは「私の名前はEさんです」という意味だった。10分ほどかけてようやく筆者が正しく読み取れたのは、「こんにちは。私の名前はEです。よろしくお願いします」の一文だけ。  一方、先述のアメリカ人カップルはというと、「ランピーダンピー」というフレーズと身振り手振りからEさんの出身地や趣味まで当てていた。  挙句、「次のビールは俺が奢るね」といった会話まで「ランピーダンピー」だけで通じるように……。ジェスチャーの読解力の差をまざまざと見せつけられた。

耳だけでなく、目を使うことも重要

 英会話力を上げる方法について、Eさんは次のように解説してくれた。 「同じアメリカ人でも、地域によっては訛りが強くて、相手が何を話しているのか聞き取りづらいことはよくあること。イギリスやオーストラリアでも発音は全然違うし、ましてや英語圏の人でなければ、もっと通じなかったりする。耳だけを使って相手の気持ちや意図を理解するのは、英語話者にとっても難しいよ。英語で話すことが得意でないなら、なおさら目を使ったほうがいいと思う」  近年、外国人観光客の数は右肩上がりに増え続けており、東京五輪に向けてその数はますます増加していくだろう。読者の皆さんも思いがけず、街中や飲食店で外国人に声をかけられることがあるかもしれない。  そうしたとき、一生懸命相手の言葉を聞き取ろうとすることも大事だが、表情や身振りにも注意を払ってみてほしい。難しいと感じていたメッセージが、思っていたよりも簡単に読み取れるかもしれない。 <取材・文/林泰人>
ライター・編集者。日本人の父、ポーランド人の母を持つ。日本語、英語、ポーランド語のトライリンガルで西武ライオンズファン
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