新潟選挙区で、安倍首相と枝野代表の対照的な“応援演説バトル”。どちらに軍配が上がる!?

またいつもの民主党政権時代批判

菅さんも応援

政権幹部が続々と駆けつける新潟選挙区。安倍首相に続いて菅官房長官も、7月6日に応援演説

 さらに、雇用創出について触れながら年金問題につなげてもいた。 「この6年間、私たちの経済政策で新たに380万人の方々が仕事についた。働き始めたのです。その結果、支え手が、保険料を払っている方が約400万人増えたのです。ということはそれだけ、保険料収入が皆さん、減らずに増えてきた。(*)  そして6年連続、今世紀に入って過去最高の賃上げが続いた結果、やっぱり保険料収入も増えますよね、給料が上がったわけですから。そして、この4月、皆さんの年金、増やすことができた。  そして年金を株式市場で運用をしています。民主党政権時代は株価の平均が1万円を大きく割っていた。でも今、2万円を越えていますね。その結果、運用益が44兆円になったのです。民主党政権時代の10倍です。  皆さんの年金の財政の基盤を厚くしています。年金の財政をしっかりと確保していく。それは強い経済を作っていくことによって、十分に可能であることも申し上げたいと思います」 (*:年金加入者数は、新規加入者数と納付期間終了者の増減を加味すると、ほぼ横ばいであり400万人増えたかどうかは不明。保険料収入は増加傾向にあるが、国民年金に比べ保険料が高い厚生年金への移行が影響しているのも理由の一つだという。参照:朝日新聞)  農業政策についても同じ調子だった。 「農業においては例えば、農林水産物の輸出額がある。連続6年間で過去最高を記録して絶好調です。9000億円になりました。(第二次安倍政権が)スタートして倍になった。新潟県のおコメ、輸出が10倍に増えています」  最後に「あの時代に逆戻りするわけにはいかない」と強調、再び塚田氏への支持を呼びかけた。 「12年前の参院議員選挙、私が自民党の総理総裁の時、自民党は惨敗しました。国会は捩れて政治は安定を失い、あの民主党政権が誕生した。決められない政治、バラバラ、経済は低迷した。(中略)あの時代、悔やんでも悔やみきれないではありませんか。あの時代に逆戻りするわけにはいかない。どうか、そのためにも塚田一郎を勝たせていただきたいと思います」

「株価は倍に、貿易は黒字なのに国民の暮らしは良くなっていない」と枝野代表

打越さくら候補

打越さくら候補(右)の応援演説のため新潟に駆けつけた、立憲民主党の枝野幸男代表

 安倍首相が新潟入りした7日後の7月12日、立憲民主党の枝野幸男代表が新潟県長岡市で打越さくら候補の応援縁説をした。安倍首相が「政治の安定」を強調したのを受けて枝野氏は「安倍忖度政治からの変化」を呼びかけていた。 「安倍さんは『この選挙で問われるのは政治の安定だ』と。いや、文書が改竄される、隠蔽される、ごまかされる。こんな政治を安定させていいのですか。強い者に、総理官邸に、忖度ばかりをする政治を安定させていいのですか。  この6年どうですか。そして長岡に暮らす、新潟に暮らす皆さんの暮らしはこの6年、良くなってきましたか。(「良くなっていない!」の声)良くなっていない政治を安定させたらダメじゃないですか。(*)  おかしいのですよ。株価は倍になっているのですよ。日本の企業収益、大きな企業の儲けは過去最高になっているのです。だから一部はたしかに安倍さんのおかげで潤っているのです。でも、それはごくごく一部ではないですか。例えば、新潟県に、長岡市にその恩恵はどれくらい来ているのですか。  平成の30年間を見てみても実は、日本の国は豊かになっています。実は国内の景気は悪いけれども、外国との取引ではずっと黒字を積み重ねてきた。外国との取引で黒字を積み重ねてきたことは、国としての日本は豊かになっているはずなのです。  それなのに、皆さんがその実感を得られていないとすれば、どこが悪いのですか。政治がおかしいのではないですか。自分の身近な強い者、豊かな者、そうした人の声しか入らない。だから強い者、豊かな者をより強く豊かにする政策しか進められていない。その結果のしわ寄せを皆さんが受けているのではないでしょうか、皆さん。  豊かな国のはずなのに、この国で子育てをもっと安心してできないとおかしいのですよ。政治の流れ、政策の流れを変えましょうよ。一人一人の暮らしを支えるところに政治の支点を置き換えていけば、必ずこの国は良くなる。長岡も新潟も良くなります」 (*:景気回復の実感ない人が多数いることは安倍首相も認めている。参照:ロイター
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農業、介護、保育への予算拡充を訴えた
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