メールの内容が問題になるケースは、その内容が省略され過ぎていて、相手によくわからないという印象を与えてしまうケースが最も多い。内容が省略されているケースは、たいていその内容がきついという印象を相手に与えてしまう。
また、メール内容が省略されているケースのなかには、メールの送信者が承知していることが、相手に伝えられていないというパターンが結構ある。
たとえば、会議は10時から開催される通知をすでに出していたが、その後、13時からに変更になっていたというケースだ。13時からの変更連絡ができている人もいたが、まだだった人もいる状態。しかし、送信者は時間変更の連絡をしたつもりになっていて、13時からの会議の準備事項について案内メールを出した。案の定、メール受信者からは、会議は10時からだったのではないかという問い合わせが殺到し、準備事項の案内どころではなかったという。
メールを発信した本人は時間変更を連絡したつもりになっていたが実際はされておらず、メール受信者にストレスを与えてしまったという例だ。ここまで極端なケースはさほど多くはないが、実は言葉足らずによって、相手にストレスを与えてしまうケースはとても多い。
発信したメールに対して、質問を受けてしまった経験がある人は、メールにも
BIGPRを盛り込むことを心がけたらよい。発信したメールに対して質問を受けてしまった経験のある人は、「そんなことをメールにあらためて記載すると、相手にくどいと思われはしないか」「きっと、相手はわかっているだろう」というように思う人が多い。
【参考記事】⇒
プレゼンや日常会話をうまく進める「BIGPR」。一番重要なのはどれ?
だが、「相手はわかっているのではないか?」と逡巡したら逆にメールに記載する、自分が思っている以上に少し丁寧にメールに記載するということを心がけると自分が出したメールに対する問い合わせが減るということがわかっている。
質問:メールの内容がきつすぎると言われる
メールの内容がきつすぎると言われます。自分ではそのようなつもりはなく、教えられたとおり、ビジネス文書なので要件を簡潔に、それも結論から先に書いているのですが、どこがいけないのでしょうか。
(事例)
「○○さま、たいへんお世話になります。お問い合わせの件、添付のとおり回答いたします。よろしくお願い申し上げます。○○会社△△」
回答:メールでBIGPRを伝える
メールの内容がきつすぎる、硬いなどと思われている場合は、BIGPRの何かが欠けている場合が多いのです。以下の事例のようにBIGPRでメールを作成すると、内容自体もわかりやすくなりますし、メールの好感度が高まります。
(事例)
「○○さま、 たいへんお世話になります。○○会社の山口です(
自己紹介)。先日は、お伺いさせていただき、ありがとうございました(
背景)。前回のミーティングでお問い合わせいただいた内容ですが、添付のとおり回答させていただきます(
目的)。
ご一読いただき(
所要時間)、さらに気になる点などがあれば、ご一報いただければ幸いです(相手に期待する役割)。引き続きよろしくお願い申し上げます。○○会社 山口」
【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第146回】