協調性とは、「KY力」という意味ではなく、コミュニケーション力と表現するほうが的確だろう。相手の気持ちを感じ取ったり、人の心を動かすスキルだ。
そのための手法は、心理学においてさまざまなものがあるが、今回は、日常的にできるコミュニケーション力を高める方法をご紹介する。
人が集まる場でも一方的な「伝える」はできるが、双方向的な「会話」ができなくて、黙ってスマホを触っている人を見かける。聞かれると何か答えるのだが、「あんまりこういう場は得意じゃないんですか?」と聞くと、「コミュ障なんで……」というのだ。これはすごくもったいないなと思う。
そういう人には、「質問を3つする」という習慣を身につけてほしい。
コミュニケーションは「相手に興味を持つ」というところから始まる。テクニック論的なコミュニケーションだと、相手の発言を繰り返す「バックトラッキン」などがあるが、土台となるコミュニケーション能力がないまま使ってしまうと付け焼き刃になってしまい、会話に疲れてしまったり、すぐに会話が終わってしまう。
それよりも、「質問を3つする」というルールを作るのだ。質問をするには、「相手を観察する」「相手に興味を持つ」という姿勢が必要になる。自然とコミュニケーションに必要な土台となるスキルを身につけることができるのだ。
また、質問をすると、相手は自分に興味を持ってくれていると思い、相手の自己重要感を高めることができるので、あなたに好感度を持ってくれる。また、相手の自尊心を高めるのが上手い人は人望が高くなるので、あなたの周りに自然と人が集まってくるようになる。
最初のうちは、上手いテーマで質問ができなくて、会話が続かないかもしれないが、それは相手を観察できていないからなので、Try & Errorを繰り返して、観察力とコミュニケーション力を高めてほしい。
最近は、SNSが発達している一方で、コミュニティが閉塞的になっているように感じる。共通の趣味や価値観がないと、わかり合えないようになっている。それが、「相手に興味を持つ」というコミュニケーション能力の衰退に繋がっているのではないだろうか。
そういう時代だからこそ、この「質問を3つする」ことを習慣づけて、AIと共存するスキルを身につけてほしい。
【参考文献】
『日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に ~ 601 種の職業ごとに、コンピューター技術による代替確率を試算 ~』野村総合研究所