「頑張ろう!」コールが終わり、閉会が告げられた。「FWP埼玉役員」席に座っていた人物がいち早く退場する。教団の松濤本部で長年に渡り復興局副局長や対外協力局長などを歴任してきた安榮燮(アン・ヨンソプ)東埼玉教区長だ。(参照:
世界平和統一家庭連合浦和家庭協会協会長挨拶)
足早にホールを出る安教区長
教団地区教会サイトに掲載された安教区長の挨拶(世界平和統一家庭連合浦和家庭協会サイトより)
後を追う北村。
安教区長のあとを追うようにホールを出る北村候補
取材データを確認すると、開演前、客席のいたる所で来場者と親しく言葉を交わす安榮燮教区長の姿を確認できた。
北村の後援会会長に声をかけたが、手を払う仕草で拒否。
うちわを振っていた年配女性たちに訊いた。
――皆さん、家庭連合の方?
女性たち:
「そうです」
やはり北村応援団は統一教会信者で構成されていた。
ロビーで帰途につく来場者一人一人と握手する北村に尋ねた。
――今回、統一教会の信者がいっぱい来てるんですけど支援は受けているんですか
北村は首を傾げ、一瞬の間を置いてこう答えた。
「中にはおられるかもしれないですね」
筆者の直撃に動揺を見せつつも応じた北村候補
教団政治団体関係者によって取り仕切られ、多くの信者が参加した北村の個人演説会。6年前と何ら状況は変わっていない。
*追記: 14日、都内で北村の個人演説会が開かれた。
現地で取材に応じた北村事務所の政策秘書は「大宮の現場では裏の方に回っていたので一部始終は判らないが」と前置きした上で、大宮の演説会場で北村事務所が把握するスタッフ以外の人物たちが来場者を仕切っていたことについてこう答えた。
「依頼もしていないし仕切ってくれとも言ってない」
6年前、北村事務所に取材した時と同様に「勝手に応援している」ということなのであろうか。
(文中敬称略)
<政界宗教汚染~安倍政権と問題教団の歪な共存関係・番外編>
<取材・文・撮影/鈴木エイト>