「シェア」から生まれる新しいライフスタイル。人との繋がりや信用が重視される経済圏とは?

シェアリングエコノミー協会のイベントが開かれた

 数年前より欧米を中心に、シェアリングエコノミーと呼ばれる経済の潮流が台頭してきた。日本でもモノや空間、時間、スキルなどの遊休資産を生かしたシェアリングサービスが興隆している。メルカリやエアビーアンドビー、ウーバーといったサービスはその代表格と言えるだろう。  そうした中、一般社団法人シェアリングエコノミー協会は7月2日、会員向けのミートアップを都内で開催した。IT ジャーナリストの佐々木俊尚氏や、同協会の事務局長で「内閣官房シェアリングエコノミー伝道師」も務める石山アンジュ氏らが登壇。シェアリングエコノミーの先駆者たちが次世代のライフスタイルの可能性について議論した。

「シェアによって個人が網の目になっていく社会になる」

佐別当隆志さん

 冒頭の挨拶では、シェアリングエコノミー協会の佐別当隆志常任理事が「これからは自分らしい時間を使って仕事をしていく。選択できる時代になる。民泊、ライドシェア、ミールシェア、スキルシェア等のサービス自体は増えてきたが、日本の法律が追いついてきていない」と現状の課題について語った。  今後、法律が変われば、シェアが当たり前の世の中になるのかもしれない。  また、佐々木氏は東京と長野、福井の3拠点を移動しながら暮らすライフスタイルを5年ほど実践している。 「現代社会は、会社という共同体がなくなり、21世紀型の新しい共同体について考える局面にきている。私自身は、会社の共同体やしがらみなどに息苦しさを感じていたので、あらゆるモノを共有するシェアリングエコノミーの考え方に注目している」  佐々木氏にとってシェアする社会を一言で表現すると「個人が網の目になっていく社会」だという。 「人はとかくヒエラルキーによって判断して、階層や役職で人の特性を見てしまいがち。一方、シェアで繋がる人との間にヒエラルキーは存在しない。会社の組織としての枠にとどまらず、広い社会の中で人間関係を築いて繋がっていくことでネットワークが形成されていく世の中になる」
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