トランプ大統領の「日本は見てるだけ」発言に、イージス・アショア配備の秋田・山口県民の反発必至

岩屋大臣「イージス艦では、空の守りに隙間が生じる」

謝罪後に記者会見をした岩屋毅防衛大臣

謝罪後に記者会見をする岩屋毅防衛大臣

 しかし、質疑応答で繰り返されたのは、従来と同じ政府答弁だった。筆者はまず米国シンクタンクの論文内容について聞いてみた。 ――ハワイを守るための前線基地という見方がありますが、その点はいかがですか。 岩屋大臣:それはまったく当たらない。 ――(秋田の)延長線上がハワイになっていますが、(米軍基地のある)ハワイを守るために米軍の意向で秋田になったのではないですか。 岩屋大臣:そういうことは全くありません。あくまでも我が国を守るための全空域をくまなく守るための装備であります。 ――(津波水没地区である新屋演習場の)土地かさ上げはいくらかかるのですか。津波対策で土地かさ上げが必要だと、費用がいくらかかるのか分かっているのですか。 岩屋大臣:まだ、そういう正確な数字は出ていません。 ――であれば、イージス艦で代替して(陸上配備をする新屋配備案を比べて)どっちがより費用対効果が高いのか。白紙に戻って検討するべきだと考えてはいないでしょうか。 岩屋大臣:イージス艦については最終的に8隻体制にする予定です。しかしイージス艦はあくまで船ですから、空の守りにどうしても隙間が生じる恐れがある。従ってイージス・アショアを配備させていただくことによって、日本の24時間、365日切れ目のないミサイル防衛システムを整えておきたいという考えです。 ――もともと(イージス・アショアは)後から割り込んできたもので、米国兵器爆買いのために秋田を犠牲にするということにならないのですか。 岩屋大臣:まったくそういう指摘は当たらないと思います。

「国民の生命や安全を守る」というなら、イージス艦で代替すべき

岩屋大臣との謝罪面談後、囲み取材に応じる佐竹・秋田県知事

岩屋大臣との謝罪面談後、囲み取材に応じる佐竹・秋田県知事

 安全保障に精通した防衛大臣とは思えない、驚くべき回答だ。ミサイル迎撃システムを「船」に積んだのが「イージス艦」で、「陸上」に配備したのが「イージス・アショア」であり、「海上」と「陸上」の違いはあっても迎撃システム(機能)自体に違いがあるわけではない。 「船ですから、空の守りにどうしても隙間が生じる恐れがある」という部分は、意味不明で理解困難としか言いようがない。秋田沖と山口沖(日本海側)に1隻ずつ常駐させれば、イージス・アショアの代替機能を果たすことができる。  イージス艦8隻体制になるのだから、定期的な整備や乗組員の交代も可能だ。数千億円オーダーのイージス・アショア購入は税金の浪費であると同時に、秋田・山口を有事の際の先制攻撃対象となる危険区域にしてしまうデメリットも伴う。  しかも、トランプ大統領には「日本は見ているだけ」と言われる始末。多額の税金を投入して米国から兵器を買い、国民を危険にさらすことになるというのに、まったく感謝もされないのだ。  岩屋大臣が「国民の生命や安全を守る」というのなら、秋田・山口両県民の生命や安全を脅かすイージス・アショア配備を白紙撤回、イージス艦8隻で切り盛りする従来案に戻すことが不可欠に違いない。  参院選でも「米国兵器爆買い」が大きな争点の一つとなる中、安倍政権の配備ありきの方針が投開票日までに変わるのか否かが注目される。 <取材・文・撮影/横田一>
ジャーナリスト。8月7日に新刊『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)を刊行。他に、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)の編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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