こうして天候や時間帯、道路状況によって、前も後ろも一般車以上に視界が悪くなる中、トラックにとって大変ありがたい存在なのが、「
周りの車両が照らすライト」である。
特に、先述したような雨の道やカーブの多い山道、霧がかった朝道、クルマ通りの少ない田舎道などにおいては、他車が灯すテールランプやヘッドライトは、大変心強いに誘導灯になる。
しかし、そんなライトを自分と同じくらい早いタイミングで照らしてくれているのは、大概同じ思いを持った「トラック」がほとんどだ。
「見えない」を身をもって知るトラックドライバーは、ライトの点灯に対する意識が一般車よりも高いのである。
既述した通り、トラックには一般乗車以上の「殺傷力」があり、トラックドライバーはその事実と恐怖をよく自覚しているため、彼らは当然のように「ライトの早期点灯は、自分自身の視界確保以上に、相手に自分の存在を知ってもらうための対策として、会社から指示されるでもなく自発的に行っている」と話す。
大型車などの車体が長いトラックにおいては、側部に設置が義務付けられている「マーカー」と呼ばれる橙色の側方灯を日没前から点灯させ、車線変更してくる他車に衝突されぬようにも努めているのだ。
「会社では特に取り決めはないですが、視界確保と自車の存在を認識してもらう意味で点灯してます。天気の良い日でも16時にはライトオンしてますね」
「LPガスの配送をやっています。早めにライト点灯しますね。ガスの容器はベルトで固定していますが、気付かれず飛び出しなどされると急ブレーキを踏まなければならず、容器が動くと重心が高いので車両が転倒しやすくなります」
「ミラーが水滴で見にくい時、後方車がライト点灯してくれると距離感がつかめて助かります。逆に自分も点灯して「ここにいる」とアピールするようにしています」
「明るくても15時以降は前照灯とマーカーを点灯させます。勿論、雨天などの悪天候の場合は時間に関係なく点灯してます
大型なので事故が起きてからでは遅いですし。最近は無意識に『乗ったら点ける』になってます」