それでは、今後、ビジネスとして民泊に取り組む場合、何に気をつけるべきなのか。
「これは不動産投資と同様だと思いますが、やはり物件選びが何よりも大切です。これから新たに始めるなら、『東京都内』『都心部から少し離れた地域』『広めの戸建』が狙い目。民泊物件が供給過多だった新法施行以前は『電車でハブ駅まで3分以内』といった都心に近接した物件以外はなかなかうまく回らないという時期もありましたが、物件数が落ち着いたこともあり、最近では多少離れたエリアでも勝負ができるようになりました。ただ、狭いワンルームでは都心のビジネスホテルに負けてしまうので、離れた場所でやる場合は、広めの戸建てで付加価値をつけましょう。戸建てであれば、コンセプトがビジネスホテルとかぶらず、オリジナリティを出しやすい。収容人数も多く取れますので、集客の難易度が低く、初心者でも十分に勝っていけます。具体的には賃貸需要が低く、物件価格が安いので、南千住や葛西、曳舟などはおすすめですね」
一方、地方観光地での民泊ビジネスは難しい状況も出てきているという。
「かつてはインバウンド需要が多いわりに物件価格が安いという理由で、大阪や京都での開業が人気でしたが、現在では注意が必要です。大阪は特区民泊制度があり、簡単に開業できるため、物件数が増えまくっており、民泊新法施行以前に近い厳しい競争が生まれています。京都の場合、旅行者人気は高いのですが、多くの投資家が同じことを考えた結果、こちらも競争が激化。現在は宿泊価格の下落も目立ち、撤退の施設も出始めています」
メルカリなどを活用し家具家電を充実させる……家具と家電は中古でもいいので一式揃えておく。リサイクルショップやメルカリなどを活用することで格安で入手することもできる。
メルカリなどを活用し家具家電を充実させる……ベッドや冷蔵庫、レンジなどはもちろんのこと、アイロンやケトルなどもあると喜ばれることもある
また、これからスタートするに当たっては初期投資を”ケチらない”ことも大切とのこと。
「せっかく投資するのであれば、少しの節約のために将来が不安な場所に投資するよりも、多少費用がかさんでも、安定して回る地域で始めたほうがいい。そういう意味でもやはり東京。ほかの地域に比べて、東京は地価が圧倒的に高いうえに条例などで開業の条件が厳しい。しかし、ハードルが高い分、開業も大変ですが、無事開業してしまえば、それが参入障壁となるわけで、ライバルが増えにくいわけですから」
トレンドの移り変わりが激しい分野だからこそ将来性に不安のない東京で積極的に勝負することがキモなのだ。
Wi-Fiはその有無で物件を選ぶ外国人が多いため、必ず導入したい