スペインでも大きな話題。久保建英レアル入団をスペイン紙はどう報じた?

育成からバルサにそのまま上がれなかった背景

 先述したように、久保は10歳の時からバルセロナの選手養成所ラ・マシア(La Masia)に所属して3年間プレーした。メッシもラ・マシアに12歳の時から所属していた。ところが、FIFA(国際サッカー連盟)はその後国際間の18歳未満の選手の移籍契約を禁止することを決めた。それに久保は引っ掛かりバルセロナでプレーできなくなり帰国を余儀なくさせられた。  久保の逸材ぶりを示すものとしてバルセロナの少年部「アレビンC」でプレーした2012-2013年シーズンに30試合に出場してなんと74得点を記録しているのである。その1年後の2014-2015年シーズン中に上述したFIFAからの違反通知がバルセロナのフロントに届いたのである。それで久保は仕方なく帰国したというわけである。(参照:「ABC」)  2001年6月4日生まれの久保は今月18歳になって、どのチームとでも契約は自由に行える年齢となった。しかし、久保は少年期にバルセロナでプレーしたということで、誰もがバルセロナと再契約するものと思われていた。しかし、彼と契約を望んでいたチームとしてレアル・マドリード、パリ・サンジェルマン、マンチェスター・シティー、リバプールなどが名乗りを挙げていた。(参照:「El Confidencial」)

1年前から獲得に乗り出していたレアル

 レアル・マドリードは1年前から久保の獲得に乗り出したという。その陣頭指揮をとったのはフロレンティーノ・ペレス会長の全幅の信頼を得ているジュニ・カラファッである。彼はスペイン生まれであるが、ブラジルで育った経験があることからブラジルから逸材選手を見出すことがレアル・マドリードと契約した最初の仕事であったという。それ以後、レアル・マドリードがスカウトする全ての選手の選別を任されるようになった。そのカラファッが久保と契約を結ぶのに障害になると見たのはバルセロナであったという。その為、本人と会っての意見の交換やレアル・マドリードからの彼の獲得に乗り出すことについての発言にも細心の注意を払ったという。  レアル・マドリードが久保と契約したことを前にバルセロナは沈黙を守っているという。今回の出来事にバルセロナの方で欠けていたのはカルレス・レシャークのような人物がいなかったということである。レシャークはクライフ監督がバルセロナの黄金時代を築いたときの助監督であった。彼は多くの首脳陣がメッシーと契約するのは時期尚早と言っていた時にそれを無視して、ポンペイア・テニス・クラブでメッシーの父親と息子のメッシーにそのクラブのバルの紙のナップキンにメッシーと契約することを書いて署名したのであった。当時の彼はテニクカル・ディレクターだった。  その署名をしたのは2000年12月14日、メッシーがまだ12歳の時であった。あの時契約していなければメッシー親子は一旦アルゼンチンに戻り、ヨーロッパの別のクラブと契約していたことは確実だと言われている。レシャークが敢えて自分の責任において契約することを決めたのは当時まだ12歳であったが、稀に見る逸材だと判断したという。メッシーの身長が143㎝と余りにも低いので、成長ホルモン剤を毎月注射する費用の一部600ユーロ(78000円)をバルセロナが負担するというエピソードもあった。現在のメッシーは身長169㎝。  レシャークのような人物がいれば久保を説得できるような提案をバルセロナの規定を無視してでも行っていたかもしれない。(参照:「SPORT」、「Mundo Deportivo」)
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久保はレアルで活躍できるか?
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