イクメンが見た桜田元大臣「子供3人」発言。政治家なら「子育てに前向きになれる」環境づくりを

衆議院インターネット審議中継より 3月13日文部科学委員会で

 度重なる失言で、オリンピック・パラリンピック担当大臣を辞任した自民党の桜田義孝議員が、再び舌禍を招いている。  桜田氏は5月29日夜、同党参院議員のパーティーに出席し、 「結婚しなくていいという女の人が増えている」 「お子さん、お孫さんには子どもを最低3人くらい産むようにお願いしてもらいたい」  などと発言。ニュースで報じられるやいなや、議員からはもちろん、ネットでも批判が続出した。

少子化は「産まない女性の責任」ではない

 ネットでは、「産みたくなる環境を先につくるべき」「子どもを産んでも保育園には入れず、その後の生活に困ってしまう」「子どもは産んで終わりじゃない。育てないといけないことをわかっているのか」など、怒りに満ちたコメントが相次いだ。  議員からはも批判の声が上がった。立憲民主党の蓮舫議員はツイッターで、 「無邪気なまでの発想発言なのかもしれないが、この男性の意識がどれだけ女性を追い詰めてきたのかを桜田前大臣は知るべきだ」 と痛烈に批判。共同通信によると、国民民主党の原口一博議員も「人権感覚が欠如している」と断じたという。  その後桜田氏は発言を撤回し、「子どもを安心して産んで、育てやすい環境整備が重要だと思っている。その思いからの発言だった。誰かを傷付けたりする意図はなかった」と釈明をした。

子どもを持つかどうかは個人の自由

 釈明の通り、桜田氏本人に悪意はなかったと思う。「少子化をどうにかしたい」との気持ちはあったはずだ。少子化を食い止めるには、子どもが増えなければいけない。  しかし、子どもが少ない現状を「女性のせいだ」と言わんばかりの発言は、女性に責任転嫁しているととらえられても仕方ない。桜田氏の中に、「女性がもっと子どもを産んでくれたらいいのに」との思い込みがあったはずだ。  そもそも、子どもを持つか持たないかは、個人の自由だ。にもかかわらず「3人産んで」と生き方を押し付けるような言い方にも、不快感を抱いてしまう。  桜田さんに悪意がなくても、一度発せられた言葉は人を傷つけることだってあるのだ。
次のページ
子ども一人が成人するまでに3000万円かかる現状
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会