難民申請を却下され収容されたクルド人。残された妻と3人の子供の「終わらない苦しみ」

難民申請しただけなのに、この扱いはおかしい

イナンさんの3人の子供たち

イナンさんの3人の子供たち。パパの帰りをずっと待っている

 トルコ国籍のクルド人であるビロル・イナンさんは2017年11月、難民申請が却下されて東京入国管理局(東京都品川区)に収容された。  父親と引き離されたことで、残された妻と3人の子供たちの生活は一変し、不幸のどん底に突き落とされることになる。息が詰まる収容生活のなか、イナンさんは家族のことを考えると心配で夜も眠れなくなってしまった。 「私は悪いことはしていない。日本で難民(申請)しただけ。この扱いはおかしい」  この突然の収容に、どうしても納得ができない様子だった。またイナンさんの妻も、異国の地である日本で子供たちと自分だけになってしまい、あたりが暗くなると怖くなって一切外出ができなくなってしまった。夜は眠れない日々が続いている。  このような状況で、1人で3人の子供の面倒をみるというのは非常に困難なことだった。在日クルド人の親戚に助けてもらい、借金を抱えながら日々の生活をつなげていく。これは、いつまで続けていられるのだろうか? 不安は尽きない。

「パパを返してください」入管職員へ長男が必死の訴え

 当時小学2年生だった長男は、東京入管6階の違反審査部門(仮放免を決める部署)に出向き、日本語の不自由な母の代わりにこう訴えた。 「パパを返してください。僕だけパパがいないの。学校で辛いです。授業参観の日がイヤです。クルド人も、黒人も、日本人も、みんな同じ人間でしょ?」  彼は必死に訴えた。しかし職員は必死に笑いをこらえているようだった。同行していた筆者が「笑いをこらえているのですか?」と質問すると、職員は「いや、日本語うまいな、と思って」と答えた。  長男の必死の訴えを真面目に受け止めているとは、とても思えない対応だった。妻はそれからも3人の子供を連れて面会のため入管に出向き、時には職員に解放を嘆願していた。
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遠い収容所への移送がさらに家族にのしかかる
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