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「GitHub」が開始した「Sponsors」サービスとは?
ソフトウェア開発プラットフォームの「
GitHub」が、「
Sponsors」というサービスを発表した。気に入った開発プロジェクトや開発者を、経済的に支援するためのものだ。手数料は最初の1年は0%だそうだ。支援した額が、そのまま開発者に入る。破格のサービスだと言える(参照:
TechCrunch Japan、
ITmedia NEWS)。
「Sponsors」は、
プロジェクトや開発者に、インターネット経由で資金を提供するということで、パトロンサービスの一種と見なすことができる。ここ数年、
クリエイター向けのパトロンサービスが徐々に普及している。単発でお金を払う投げ銭や、製品の完成に投資するクラウドファンディングとは違い、継続的に資金を提供することでクリエイターの活動を支援するというものだ。
代表的なのは、2013年に設立された「
Patreon」だろう。ファンが、創作活動をするアーティストに寄付できるプラットフォームとして人気を博している(参照:
Patreon – Wikipedia)。
日本では、「
Enty」「
ファンティア」「
pixivFANBOX」「
Ci-en」当たりの名前を周辺でよく聞く。
このように、不特定多数の個人が、特定の個人を支援するという流れが徐々に生まれつつある。多くの人と繋がることができるインターネットという世界がもたらした潮流だ。
ただ、パトロンサービスにも難しい面がある。多くのパトロンサービスでは、定期的な報告やファンへの特別なサービスが求められる。そうしたフィードバックがなくてもよいが、「お金をもらうだけ」という状況は人情として心苦しい。その結果、よほど神経が太くない限り、多くの人が何らかのファンサービスを提供している。
支援の額が大きければ、こうしたフィードバックに時間を割くのもありだろう。しかし、低額の場合、こうした作業をするのは本末転倒だ。支援が足枷になり、創作の時間が削られることになる。
具体的な数字で説明してみよう。1ヶ月に合計1,000円の支援を得られた場合、そのために毎月1日かけて特典を提供するのかという話になる。数万円の支援が得られるのならばありかもしれないが、低い金額しか集まらなかった場合、0人よりも厳しい結果となる。
その点、ソフトウェアの開発に支援をするのは相性がよい。既に製品ができており、ユーザーはその恩恵を継続的に受けている。お金をもらう方も、これまで通り、ソフトウェアの改良やメンテナンスを続ければよい。新たに何かを用意する必要はなく、開発に割ける時間を増やすことができる。支援してもらう側として、心理的なハードルが低いと言える。