会場で議論が深まったとき、「お母さんたちでコミュニティをつくったらどうか?」という提案があり、代表は気づいたら手を挙げていた。こうして立ち上がったのが、HUCだ。NewsPicksが好きで、「母親をアップデートしたい」という強い想いを持ったメンバーが集まった。
「『無敵の、つながり。母親を、もっとおもしろく。』『誰も否定しない』のコンセプトのもと、メンバー専用ページでは日々思ったこと、気づいたことを書き込み、みんなで共有しています」
HUCには「3つの『ア』」を大切にする文化がある。
「アウトプット」(気づいたこと、思ったことをグループ内で伝える)
「シェア」(どう感じたかを共有する、意見し合う)
「アップデート」(成長する、気づきを得る)
これは、課題を同じくする人とのコミュニティーがあってはじめてできることだ。社会的、また自分の中でつくりあげた思い込みから脱却できる。
「『週5で飲み会に行く』というメンバーがいて、『こんなに自由でもいいんだ!』と驚きました。毎日誰かがするアウトプットを見て、自分では思いつかない考え方に触れることができます」
メンバー専用ページでのやりとりだけでなく、「母親のメンタルヘルス」に焦点を当てたトークディスカッションなど、イベントも開催している。
HUCは、令和初の母の日を前に、Twitterで「#令和の母 ツイートキャンペーン」を行なった。ハッシュタグ「# 令和の母」をつけ、母親のあるべき姿、理想の姿について1000件を超える投稿があった。
「『母親』をラベルではなく、『模様』のひとつにできたらいい」
「母である前に、ひとりの人間」
「コミュニティをつくり、仲間と育児を分かち合う。人類にとって自然な形に育児が戻ろうとしている」
寄せられた投稿をふまえてHUCは、令和の母のキーワードとして「3つのS」を見出した。
・Self(自分で、切り拓く。自分の人生を自分らしく生きる)
・Share(シェアでつながる。学び、喜び、子育てをシェアする)
・Smile(もっと、おもしろく。自分もみんなもおもしろくなるように行動する)
これら3つの「S」の文化が当たり前のように広がれば、子育てと仕事や趣味の活動との両立が楽になり、女性は産後も人生を楽しみやすくなるはずだ。
そのためには、女性の意識を変えるだけでなく、夫である男性の長時間労働の是正や、保育園の問題の解消など、社会的な変革もセットで考える必要はあろう。