多瑠都 / PIXTA(ピクスタ)
福島第一原子力発電所での廃炉作業に「特定技能」の外国人労働者を受け入れるとしていた東京電力。厚生労働省からの通達を受け、5月22日に当面の間は受け入れないという方針を示した。
しかし今後、廃炉作業に外国人労働者を投入する可能性は残っている。識者らは、「被ばく労働に従事させるべきではない」と反対している。
技能実習生を福島第一原発で受け入れることは、制度の「国際貢献」という名目上、認められていなかった。しかし東電は、特定技能について法務省に問い合わせ、「新資格は受け入れ可能」と判断したという。福島第一原発だけではなく、再稼働を目指す柏崎刈羽原発(新潟県)でも受け入れる方針だった。
朝日新聞が4月18日に報じた。
しかし厚生労働省は5月21日、同社に対し、「極めて慎重な検討」を求める通達を出した。通達では、外国人労働者を受け入れる際の課題について、こう指摘している。
「日本語や我が国の労働習慣に不慣れな労働者に対する安全衛生管理体制を確立する必要があること、放射線に関する専門的知識がない労働者が作業することに起因した労働災害、健康障害が発生するおそれがあること等の課題が想定される」
そのうえで東電には、外国人労働者が作業の指示を確実に理解できるように教育することなどを求めていた。
これを受けて東電は22日、「当面の間、発電所での特定技能外国人労働者の就労は行わないこととする」と発表。
しかし、
朝日新聞の5月22日の報道によると、福島復興本社の担当者は「この先ずっと就労させないと言い切っているものではない。検討して改善したうえでの就労はありえる」と語っていたという。今後、外国人を就労させる可能性が十分にあるということだ。