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Photo by soshi itagaki
5月28日午前7時41分頃、神奈川県川崎市多摩区登戸にて小学生16人を含む18人が包丁で刺されるという悲惨な事件が起きた。現場はJRと小田急が通る登戸駅の西側に広がる住宅地の中。小学6年生の女児と男性(39)が死亡した。
事件を起こした男は、18人を殺傷したあと10メートルほど逃げ、自身の首を包丁で切りつけ、死亡した。そのため、事件の全貌は分からなくなった。
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Photo by soshi itagaki
ここで気を付けるべきなのは、デマだ。現在、Twitter上には「犯人は精神障害者に違いない。だから犯罪を犯したのだ」といった憶測が飛び交っている。
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まだ因果関係がハッキリとしていない段階において、このような情報が拡散されると「精神障害者はみんな危険な存在である」という差別や偏見が助長されかねない。
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出典:平成29年度版犯罪白書第10章
上記の表は、法務省が毎年発行している「犯罪白書」から引用した。表の下に記載の注)2の通り、「精神障害の疑いのある者」というのは、警察官が措置入院の対象と判断して都道府県へ通報した人で、精神障害者ではない人を指す。
検挙された総数の中で「精神障害者」と「疑いのある者」を含めた精神障害者等の比率は1.8%と非常に少なく、精神障害者に限定すれば1.1%である。罪名別でみれば放火や殺人の比率は高いが、精神障害者以外の人の方が比率が大きい。
上記のことから、精神障害者と犯罪を結びつけることは難しいのではないだろうか。いずれにしても今現在の時点で、正式な報道が行われていない中、根拠に乏しい情報を拡げるのは控えるべきだ。