フィリピンの一般的なレギュラータクシー
東南アジア3大ぼったくりタクシー王国といえば、ベトナム、インドネシア、そして、フィリピン。
出張や旅行者の悩みのタネだったこれら3大ぼったくりタクシー王国も含めてそれ以外のタイやカンボジアなどへの出張や旅行予定がある人に、そうした悩みから解決されるかもしれないアプリがある。
それが、2012年にマレーシアのクアラルンプールで起業した「Grab(グラブ)」(現在の拠点はシンガポール)の配車サービスアプリだ。ぼったくりで不誠実なタクシーだらけの国ほど配車サービスアプリ「Grab(グラブ)」がまるで救世主のように光り輝いて見えてしまうだろう。
グラブは、先日、ニューヨーク証券取引所へ上場した「ウーバー・テクノロジーズ」から2018年春に東南アジアエリアのでサービスを譲渡され吸収することでトップシェアに躍り出た。今月には、世界最大のホテル予約サイト「ホテルズドットコム」と提携し、ホテル予約サービスも始めることを発表するなどサービスを多角化させている。
日本ではグラブが使用できないためピンとこない人も多いと思うが、前出の3大ぼったくりタクシー王国や、それ以外のタイやカンボジアなどへの出張や旅行予定がある人は出国前に入れておくと便利だ。
フィリピンの首都マニラには、大多数を占めるレギュラータクシーと呼ばれる一般タクシー、定額料金で利用するクーポンタクシー、そして、車体が黄色のイエロータクシーの主に3種類のタクシーが走っている。料金はレギュラー、イエロー、クーポンの順で高くなる。
マニラ空港や街中で「タクシー!」と声をかけてきたり、クラクションを鳴らして呼び込みをしているのは、ほぼ100%ぼったくりタクシーで、メーターを使わず言い値をふっかけてくる。イエロータクシーは、初乗りも加算料金も高い分、安心度は上がるがイエローでもぼったくり被害にあったという話はよく耳にする。先払いで利用するクーポンタクシーは、降車時にプラスで要求されたり、チップを求められることがあるものの、この中では不愉快な思いをする確率は低いタクシーとなる。
平日の午前中、マニラ市内で用事を済ませてホテルまで3kmほどの近距離をレギュラータクシーを止めて行き先を告げると300ペソ(約630円)と即答されたので利用せず、代わりにグラブでマッチングしたところ80ペソ(約165円)で利用できた。5分ほどで到着の案内が入り、車種と車体ナンバーを頼りにすぐに見つけることができた。素晴らしい。
行きたい場所を英文で入力すれば運賃とマッチングできる車を表示してくれる
ぼったくられたと言っても日本円でたかだが600円ほどである。しかし、金額以上にやるせない怒り、ガッカリ感に心が苛まれて精神的に疲弊してしまう。さらには、その国の心象も悪化するのでいいことは1つもない。
別の日の午後8時過ぎに買い物をするためマニラ空港第2ターミナル近くからマニラ湾のリサール公園までをグラブで探すと249ペソ(約520円)と
レギュラータクシーのメーターよりも安く行けた。
マニラ空港T2から徒歩たった5分の場所
グラブは時間帯などにより料金が変動するため行きと帰り、曜日によっても運賃が変動する。マニラはジャカルタと並ぶ絶望的な渋滞でも知られるので渋滞する時間帯は多少高くなる仕組みのようだ。そのためグラブで小まめに料金を確認してみるといい。変動具合がゲームのようで楽しい。