また、出席者によると、2017年の「深見東州・バースデー書画展」では政治家たちがこのようなスピーチをしたという。
亀井静香氏「(半田)先生は『私は現代のダ・ヴィンチだ』と言うんですが、それは褒めすぎじゃないかという人がいますが、私はそうだと思う。先生は
我々日本国民にとってかけがえのない方」
松木謙公氏「今日、
トゥールビヨンの時計(半田氏が経営する時計店が発売した88万円の時計)買って帰りますから(会場から感嘆と拍手)。
娘は先生のみすず学苑にお世話になったんですよ。私が言ったわけじゃないですからね。娘が勝手に見つけてきたんですよ」
トゥールビヨンの時計とは、半田氏が経営する時計店「HANDA WATCH WORLD」が数量限定で発売した、
半田氏が書いた絵をあしらった腕時計「太平洋のご来光トゥールビヨン」(税別88万円)。この誕生会でも紹介されていた。
みすず学苑は、時計店と同じ株式会社ミスズが運営する予備校だ。かつて、
生徒が予備校スタッフに勧誘されワールドメイトに入信してしまったというケースもある。
山田宏氏「私、みすず学苑、深見先生の本拠があります
杉並区の区長を11年間務めております。先生にご支援、またご指導いただいているという関係です。去年流行った言葉で、
『神ってる』と。これ、東州先生のことですよ。神のようだということですね」
山田氏はワールドメイト発祥の地・西荻窪がある杉並区の元区長で、
2017年当時はすでに参議院議員。
特定の宗教の教祖を「神のよう」と持ち上げたのが仮に事実だとしたら、寄附を受け取るよりはるかに問題がありそうだ。
鳩山二郎氏「父(鳩山邦夫)が生前、深見東州先生にお世話になっていて、政治家の先生の中で一番お世話になっていたのは、間違いなく私の父でございます。私は昨年の補欠選挙、あんまり失言はしないようにしているんですけども、いろいろ地元でありまして。大変いじめられた選挙だったわけですが、その中でも深見先生には真っ先に応援をしていただいて、
先生のお力でいまバッジをつけているわけですから、これからも
先生のために私も懸命に努力していかなければいけない」
政治家たちが教祖を「ダ・ヴィンチ」「神のよう」と呼び、教祖の商品を買い、娘をみすず学苑に通わせ、「先生のために懸命に努力」するとまで宣言している。耳を疑いたくなる光景だ。
なお2019年の「
バースデー書画展」では、政治家と呼ぶべきか不明だが、今年4月の
東京・中央区長選に立候補して落選した上杉隆氏からの花も飾られていた。
上記を見て分かる通り、ワールドメイト教祖の誕生会においても山本太郎氏の名は登場しない。
2019年3月の「深見東州・バースデー書画展」に飾られた国会議員たちからの祝花
<取材・文・写真/藤倉善郎(
やや日刊カルト新聞総裁)・Twitter ID:
@daily_cult3>
ふじくらよしろう●1974年、東京生まれ。北海道大学文学部中退。在学中から「北海道大学新聞会」で自己啓発セミナーを取材し、中退後、東京でフリーライターとしてカルト問題のほか、チベット問題やチェルノブイリ・福島第一両原発事故の現場を取材。ライター活動と並行して2009年からニュースサイト「やや日刊カルト新聞」(記者9名)を開設し、主筆として活動。著書に『
「カルト宗教」取材したらこうだった』(宝島社新書)