留学生大量失踪の東京福祉大学、突然の必修科目変更で戸惑う日本人学生 進路変更を余儀なくされた人も

「背景には中島恒雄・元理事長の意向が働いている」と推測する教員も

 また同大の現役運営幹部によると、大学は学生たちに公務員試験を受けさせるよう、教員に要請しているという。 「学生の担任をしているアカデミックアドバイザーたちは、受け持ちの学生に公務員試験を受けさせるよう大学から求められています。試験を受けない学生については、その理由を聞き取って教務課に報告しなければならないことになっています」  要するに、東京福祉大学は、公務員試験の授業を突如必修科目とし、学生たちが試験を受けるように持っていってるのだ。なぜなのか。前出の運営幹部は、こう推測している。 「東京福祉大学は、留学生の失踪で悪評が立ってしましました。学生に公務員試験を受けさせて、就職率をかさ上げし、名誉挽回するとともに日本人の学生を増やしたいのではないでしょうか。背景には、元総長である中島恒雄氏の意向が働いていると思います。大量の留学生を拙速に受け入れ、お金儲けをしようとしただけでなく、今度は就職率を上げて評判を上げようとしているのでしょう」  中島恒雄氏は、収入の確保を狙って、留学生の大量受け入れを主導したとされている人物だ。今回も学校の評判を回復するため、学生たちの都合とは無関係に、半ば強引とも言える手法で公務員試験の合格率を上げようとしている可能性があるという。

「教育学部でも選択必修に戻してほしい」

 4月22日付の通知書が送付された後、大学側は条件付きで「キャリア開発演習」を選択必修に戻した。社会福祉学部と心理学部の学生で、保育士の資格や養護教諭一種免許状などの資格や免許を取る学生は、必ずしもキャリア開発演習を履修しなくてもよくなったという。  ただし教育学部の学生については、キャリア開発演習が必修のままとなっている。前出の学生は、「全ての学部で『キャリア開発演習』を選択にしてほしいです。また15コマ2単位に統一してほしいですし、授業の内容も改善してほしい」と話していた。 <取材・文/HBO取材班>
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