パチンコ業界で最も有名なゆるキャラ「ひばりんご」
パチンコ店の広告宣伝が厳しく規制されるなか、芸能人やライター取材等の集客イベントが禁止に追い込まれているということは
「パチンコ店、集客イベントの断末魔 しかし、業界もホール側もむしろ禁止に賛同?」にも書いたが、今回はより踏み込んだ自主規制の内容が発表され、ホール関係者らが当惑している。
新たな自主規制を発表したのは、
北海道の札幌方面遊技事業協同組合と札幌遊技業協同組合。その内容とは、
札幌方面のパチンコホールにおいて、自社キャラクター等の着ぐるみの来店すらも禁止にするというもの。
そこまで厳しい自主規制を敷く必要があるのか。そもそも自社キャラクターの着ぐるみの来店禁止について、わざわざ禁止だOKだと判断する必要があるのか。
パチンコ業界の「ゆるキャラ」事情と、今回の自主規制について解説する。
今や下火傾向となったが、世の「ゆるキャラブーム」に乗じたのがパチンコ業界である。
有名どころとしては、業界最大手のマルハンのキャラクター「
にゃんまる」。この「にゃんまる」は、2017年のゆるキャラグランプリ(企業・その他部門)において、第3位にもなっており、また一般社団法人日本記念日協会は2月22日を「にゃんまるの日」として正式登録もしている。
マルハンだけではない。大阪府のベラジオコーポレーション(ホール名:ベラジオ)の公式キャラクターである「
えがおん」は、「にゃんまる」と同じゆるキャラグランプリ2017(企業・その他部門)において第2位となっており、HPでは公式グッズなども販売されるほどの人気だ。
パチンコ業界において、もっとも有名なゆるキャラと言えば、福岡や長崎でホールを展開しているヒラオカコーポレーション(ホール名:HIBARI)の「
ひばりんご」だろう。公式HPも持ち、Twitterは1万人以上のフォロワーを持つ「ひばりんご」のパワーは絶大だ。
独特のツイートセンスが業界外の人たちからも受け、ホールの景品として並ぶ「ひばりんご」商品を入手するために、わざわざ福岡にまで出向いてパチンコを打つフォロワーもいる。
ここに紹介した3体のゆるキャラだけではない。そこでもあそこでもパチンコ店はゆるキャラを作っており、着ぐるみは勿論のこと、SNSを利用したゆるキャラ戦略を展開するホールも無数にある。
まさに今こそがパチンコ業界のゆるキャラブームのピークであり、その背景には、実はがんじ絡めに縛られた広告宣伝規制の影響が色濃く反映されているのだが、その点については本稿の最後に解説する。