増税は不可避であり確実に今年増税する。そのために、消費増税の激変緩和措置として商品券やポイント制度などを導入するための膨大な費用を盛り込んだ予算案を、「増税そのものを諦めろ」という野党各党の反対を押し切って強行に成立させたのは、ほかならぬ安倍政権ではないか。
この動きを受けて、市民生活の現場では、増税前になんとかローンを組んでマンションや戸建て住宅を買おうとする動きをはじめ、いわゆる「駆け込み需要」が既に発生してしまっている。そうさせてしまった当事者である安倍政権が、いまさら増税を反故(ほご)にし、予算まで無駄にするというのであれば、もはやそれは、権力掌握のための権謀術数ではなく、単なる詐欺、それも最下等の寸借詐欺の類と言わざるを得ない。
安倍に必要なのは、解散総選挙ではない。頭を丸め、菅直人と共に、四国八十八箇所巡りでもするのが筋というものだろう。
<取材・文/菅野完>
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日本会議の研究』(扶桑社新書)は第一回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞読者賞に選ばれるなど世間を揺るがせた。現在、週刊SPA!にて巻頭コラム「なんでこんなにアホなのか?」好評連載中。また、メルマガ「菅野完リポート」や月刊誌「ゲゼルシャフト」(
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