佐々木千夏・杉並区議が「日本平和神軍」って本当? 電話で直接尋ねたら……

藤倉善郎

総督が直々に

 20分ほど話を聞いていると、電話の向こうで男性の声が聴こえた。電話から少し離れたところで、佐々木氏とこんなやり取りをしている。 「何やってんだよ」 「ジャーナリストの方が……」  すぐに、電話の相手が佐々木氏から男性に代わった。 「はいはい。わたし中杉ですけど」  なんと、日本平和神軍総督にして正理会名誉会長である中杉氏本人だ。 「催眠大学校はもうやってない。イオンド大学は、まあやってはいるんだけどね。みんな妨害によって潰されてるんだよ。平和神軍なんてずいぶん前に解散したよ。非暴力で、リーガルオンリーで、精神のスピリットオンリーの軍隊ですよということを20年くらい前に始めたんだよ。そしたら朝鮮人たちがワイワイ騒いで潰したんですよ」(中杉氏)  中杉氏も、「日本平和神軍には朝鮮人もいたが、正理会にはいない」という。 「いまぜんぶ整理して区別して、朝鮮人は1人も入れないと思ってますから」(中杉氏)  筆者は、先ほど佐々木氏が口にした「区別であり差別ではない」という言葉について、中杉氏に尋ねてみた。 「ぼくには、差別と区別の区別がよくわからないんですが」 「ははは。おんなじようなもんだよ!」(中杉氏)  差別と区別は違うと主張する佐々木氏の言葉を笑いながら台無しにしてしまった中杉氏だが、そんなことも気にせず約20分にわたって喋り続けた。 「外縁を広くとれば内縁が薄まるってことだよ。日本人でも朝鮮人でも中国人でも当てはまるようなことを言えば、その分、日本人の精神が失われていくわけですよ。外縁をとっていくと創価学会になっちゃいますよってこと。朝鮮人をどんどん入れてたら、日蓮大聖人の精神なんて言えなくなっちゃうんですよ」(同) 「朝鮮人のこと言うと民族差別だとか、何言ってんだバカ。朝鮮人と日本人じゃ違いがあんだろって。その違いをしっかり教えないとダメなんですよ」(同) 「日韓併合なんて日本の失敗。武力をもってあれを植民地にしたなんてウソだろ。ウソやめろよって。植民地ってのは、そこから何か奪うことを言うんだよ。朝鮮に何か奪うものなんてあんの? 何もないじゃないか。(日本から)与えるものしかないんだよ。民族差別じゃないんだよ。そういうこというのやめろって。従軍慰安婦なんてものもなかったのに。これは差別ではない。朝鮮人はウソをつくのやめろと言っているんだ!」(同) 「歌舞伎町の土地はぜんぶ朝鮮人が持ってるの。なんで持ってるんだよ。ぜんぶぶっ殺して盗ったの、あの土地は! 新橋も銀座も駅前はいまぜんぶ朝鮮人のものです。そこにいる人間をぶっ殺して占領して、その土地を自分のものにしちゃったんです」(同) 「NHKを潰せないまでも、叩かないといけないんですよ。NHKには1000人も朝鮮人がいる。それがみんな偏向報道して南京大虐殺があったとか言ってるんです」(同)  なぜNHKに1000人の朝鮮人がいるとわかるのか尋ねると。 「そのくらいの情報は入ってくるんだよ!」(同)

「らあめん花月嵐」との関係も

 中杉氏に、「らあめん花月嵐」チェーンの運営母体である「グロービート・ジャパン」との関係を尋ねた。すると、いま現在も同社の会長だという。 「平和神軍の活動をなんで中止したかって、理由があったんですよ。(日本平和神軍は)結構大きくなったんですよ。そしたら左翼どもが最低の右翼だって言ってね、私の本業の会社(グロービート社)のほうに攻撃したわけ。そういう話なんだよ。そしたら会社の方から『オレたちの商売に差し支えるからやめてくれ』と言われたんだよ」(中杉氏)  やめてくれと言われて、会長を辞めたのではなく日本平和神軍の活動をやめたということか?と、改めて確認すると。 「そうだよ。しょうがないだろ。飯食うところを爆撃されたんじゃ飯食えなくなるから。(会長であることは変わらず?との質問に)変わらないよ。(社長である息子から)それも言わないでくれって言われてるわけ。言うと、思想団体と花月が結びつくから『花月から籍を抜いたことにしてくれ』と言われてるんだよ。(会長の名は登記簿には出てこないが)倅が社長なんだから。娘婿が副社長なんだ。専務が次男で、三男が取締役だからね。ぜんぶ一族でやってんの。年商いま150億円くらいあんのかな」(中杉氏) 「花月は、ずいぶん店舗が増えましたよね」と筆者が言うと、海外にも店舗を増やしているという。韓国にも?と尋ねると、こんな答え。 「韓国なんか行かないよ、あんなとこ。(店舗を出しているのは)台湾、あとシンガポール。韓国には死んでも行かないよ。ははははは!」  電話を切った後、考え込んでしまった。韓国に出店しないのは自由だ。しかしそれはそれとして、佐々木氏や中杉氏が言う「差別ではなく区別」の違いは、やっぱりわからない。  いずれにしても、佐々木区議にまつわる噂の真偽だけでなく、日本平和神軍及び中杉氏とグロービート・ジャパン(らあめん花月嵐)の現在の関係まで中杉氏自ら語ってくれるという思わぬ結果になった取材であった。 <取材・文・写真/藤倉善郎(やや日刊カルト新聞総裁)・Twitter ID:@daily_cult3> ふじくらよしろう●1974年、東京生まれ。北海道大学文学部中退。在学中から「北海道大学新聞会」で自己啓発セミナーを取材し、中退後、東京でフリーライターとしてカルト問題のほか、チベット問題やチェルノブイリ・福島第一両原発事故の現場を取材。ライター活動と並行して2009年からニュースサイト「やや日刊カルト新聞」(記者9名)を開設し、主筆として活動。著書に『「カルト宗教」取材したらこうだった』(宝島社新書)
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