佐々木千夏・杉並区議(佐々木氏のTwitterより)
4月21日に投開票が行われた統一地方選で、「NHKから国民を守る党」公認候補として杉並区議選に当選した佐々木千夏氏。その後、N国党から除名される騒ぎが起こると、かつてネットやパソコン通信で名を馳せた有名な右翼団体「日本平和神軍」の元幹部であることがTwitterなどで指摘されるようになった。これは事実なのだろうか。本人に電話で尋ねてみた。
そのやりとりをそのまま記事にすべきかどうか迷った。明らかに、メディアに掲載するには不適切な内容だ。しかし公職についた人物の思想を明らかにするため、伏せ字なしで掲載する。言うまでもなく本サイトも筆者も、彼らの主張を支持しない。
電話の内容をリポートする前に、今回の騒動になぜ「日本平和神軍」がからんでくるのか、流れをおさらいしておこう。
N国党・立花孝志代表は統一地方選挙から約1週間後の4月29日、佐々木区議のほか八王子市議・若林修氏、豊島区議・沓沢亮治氏、西東京市議・冨永雄二氏の計4人を除名にしたと発表した。立花氏が130万円を党に収めるよう統一地方選当選者らに求めたのに対して、4人が拒否したことが直接の理由のようだ。立花氏は除名を発表したYouTube動画の中で、「4人のバックに中杉弘という『らあめん花月』の会長さんがいる」などと語った。
中杉(本名=黒須英治)氏とは、かつて「日本平和神軍」の総督を務めていた人物。中杉氏ら日本平和神軍は中国や韓国、あるいはその国の人々に対する差別的な発言を繰り返してきた。軍服を着て集団で公道を行進する風変わりなパフォーマンスも、多くの人の目を引きつけた。その歴史は古く、90年代のパソコン通信「NIFTY-Serve」内にもウォッチャーがいたほど。「ネトウヨ」という言葉が生まれる前から、「ネット上で有名な右翼」だった。
中杉氏が当時、ラーメンチェーン「らあめん花月嵐」を運営するグロービート・ジャパン社の会長を名乗っていたこともあって、当時からパソコン通信やインターネットでは日本平和神軍とグロービート社の関係が指摘された。
そもそも、日本平和神軍はグロービート社の保養施設である「花月荘」(静岡県伊東市)を「平和神軍 士官学校」として使用していた。両者が深い関係にあることは一目瞭然だった。
花月荘前での記念撮影(閉鎖済みの日本平和神軍ウェブサイトより)