難民申請が認められず無期限収容、精神崩壊まで追い詰められたクルド人男性

トルコ政府のクルド人弾圧から逃れて日本で難民申請

退院したばかりの娘を抱くHさんと妻

退院したばかりの娘を抱くHさんと妻

「ガコ(クルド語で「父親」)!?」  もうすぐ2歳になるクルド人の女の子が、母親のスマホが鳴るたびに嬉しそうに叫ぶ。  母親は、トルコから日本に逃れてきたクルド人だ。夫のHさんは難民申請が認められず、2017年11月から現在まで東京入管に収容されている。  Hさんは実兄がトルコで反政府活動をしていたため、Hさん自身もトルコ当局に共犯の疑いをかけられ、逮捕され拷問を受けた経験がある。そのことが原因で、Hさんは精神疾患を抱えていた。  収容された当時、Hさんには日本で生まれて間もない娘がいた。未熟児だったため、生まれてからしばらく入院していて、やっと退院して2か月半だけ家族3人で過ごすことができた。しかし、それからすぐ収容されてしまい、それ以来、Hさんは娘と触れ合うことができなくなってしまった。

親子の触れ合いすら認めない東京入管

 入管施設によって、そのルールはいろいろと異なることが多い。例えば牛久入管であれば、家族とのガラス越しではない面会はそう難しくはない。事前に予約さえとれば、妻と触れ合うことは禁じられているが、子供とだけは30分だけ触れ合うことができる。  しかしHさんのいる東京入管の家族面会は非常に厳しく、家族を証明する書類が必要となる。Hさんは入籍していなかったため家族面会が認められない。トルコから日本に逃れてきた立場なので、トルコ大使館へ出向いて婚姻を申請することができなかったのと、生まれたばかりの娘が入院していることもあって、なかなか対処できずにいた。  しかし、わざわざ遠い入管施設まで他人の子供が面会に来ることはまずあり得ないし、面会時の様子を見れば、親子かどうかはすぐわかるだろう。あまりにも厳しくはないだろうか?  筆者は、入管の処遇部門の職員に理由を聞いてみた。 「悪いことをする人がいるからです。何かを手渡したりするんです」 「しかし、牛久入管ならここまで厳しくはないし、職員が見張っていればいいのではないですか」と再度、問いただしてみた。 「だって、本当に悪いことをする人がいるんです」  入管ではよくあることだが、相変わらず納得のいく回答をもらうことはできなかった。
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「殺すなら一気に殺せ!」
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