石野卓球やZAZEN BOYSが歌舞伎町でライブ!? 異色の街フェスの裏側

 ライブハウスや飲食店が協力して開催する街中音楽フェス「CONNECT 歌舞伎町 MUSIC FESTIVAL 2019」。4回目となった今回は、石野卓球やZAZEN BOYS、MUCCといった豪華アーティストが、歌舞伎町のド真ん中で熱いライブを繰り広げる。

ライブハウスやロックバーがひしめく歌舞伎町

 いよいよ本日4月20日に開催される「CONNECT 歌舞伎町 MUSIC FESTIVAL 2019」。BLAZEやLOFT、MARZといった新宿を代表するライブハウスが会場となるが、この街のロックシーンを支えているのはライブハウスだけではない。国内外の音楽ファンはもちろん、有名ミュージシャンも多数訪れるロックバーは、歌舞伎町に欠かせない存在だ。  今回は「CONNECT 歌舞伎町」に参加する4店のオーナーたちに、歌舞伎町の音楽シーンの現状や、東京五輪に向けて増加する外国人観光客などについて話を聞いた。  ――まずはそれぞれどういった雰囲気のお店なのか教えていただけますか? Bar PSY(以下、PSY):今年でオープンから15年目。王道のロックからオルタナ、ロカビリー、パンクまで、ジャンルレスで背中の痒いところまで手が届くバーです! Bar FROM DUSK TILL DAWN Shinjuku(以下、DUSK):うちはもうすぐ7周年です。UNITEDというメタルバンドの横山明裕(‘14年に急逝)がオープンしたので、ベースはメタルですが、いろんな音楽を好きな人が来ますね。 BAR BIG TIME(以下、BT): BIG TIMEはPSYと同じ15年目です。お客さんにはソウルやR&B好きな人も多いですけど、音楽にはそこまで興味のない人もたくさん来ます。夜の遊びのリーダーみたいなお店を目指していますね。 GODZ:GODZは今度18年目。お客さんはこじれている……いや、熱狂的なメタル好きが多いです(笑)。お店を開けるときは新宿と高円寺で迷ったんですが、ロックの街ということで歌舞伎町にしようと。 PSY:僕はもともと歌舞伎町で働いていたし、遊ぶ場所もこの街だったので、自分が馴染みやすかったこともあって歌舞伎町にしました。その頃はまだLIQUIDROOM(現在は恵比寿に移転)とかCLUB WIRE(‘11年に閉店)もあってロックの聖地でしたね。 DUSK:うちはロック好き、メタル好きが多いってことで、渋谷か新宿で迷ってましたね。ただ、オープンしてからは初代オーナーのバンド繋がりの人だったり、ファンの方が来てくれるようになったので、よかったのかなと。 PSY:うちも最初の頃は知り合いのお客さんが多かったですね。 GODZ :僕たちは徹底的にチラシをばら撒いていました。まだmixiとかが流行る前でしたからね。 BT:うちも知り合いの人と新規の人が半々だったので、ライブハウスを回ってフライヤーを置いていただきましたね。 ――長い間、歌舞伎町を盛り上げてきたわけですが、この街ならではの特徴は? DUSK:ホテルも増えましたし、観光客は集まりやすいですよね。交通の便もいい。 PSY:お洒落な街のバーに比べて、どこも敷居は低いと思いますよ。アジア一の歓楽街だから敷居は低いけど、意識は高い(笑)。 BT:気楽に楽しめるけど、遊び方のルールみたいなものはあるよね。そういう夜遊びの仕方を教えるのも、お店の仕事だと思います。 GODZ:マナーですよね。

インフラ整備やSNSの影響で増える外国人観光客

――近年は外国人観光客が増えて、店内に外国人しかいないなんてこともあるそうですね。マナーなどでトラブルはありませんか? PSY:5人組で来て、3人しかオーダーしようとしないとか、そういうことはありますね。東日本大震災のあとぐらいから、かなり増えた印象です。 DUSK:最近はほとんど外国人の客さんですね。「日本語が喋りたい!」って気持ちになります(笑)。 GODZ:外国人のお客さんと話していると、日本語ってスゴい細かいことまで表現できるんだなって思いますね。ゴジラビル(新宿東宝ビル)とかロボットレストランができて、人が集まりやすくなった。 BT:アパホテルがたくさん建ったのも大きい。 DUSK:今の季節はフランスの方が多いですね。 PSY:冬はオーストラリアだね。スキーをしに来る観光客が多い。 GODZ:新宿は白馬とかニセコの中継地点になってますね。フランス人の方が来るのはアニメとか日本のサブカルが人気なことも理由のひとつだと思います。うちはメタル系のバーなので、スウェーデンとかノルウェーとか、スカンジナビアの方もたくさん来ますね。アメリカ人のお客さんは少ないです。 PSY:うちはアメリカ人もバンバン来るね。今はやっぱりInstagramとかハッシュタグの文化だから。事前に調べて、自分の好みに合うお店を選ぶ人も増えてるんじゃないかな。 BT:Facebookとかインスタを見て来る外国人は多いね。 DUSK:あとトリップアドバイザーもですね。
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文化の違う夜遊びマナーをどう伝えるか
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