「新車志向」のタイ人。どうやって平均所得からしたら割高な「新車」を買うのか?

タイの自動車

タイでは高級車は特に割高で、日本車に人気が集まる

イメージに反して物価が高いタイ

 日本のテレビ番組などで「タイは物価が安いので、人気の移住先」といった前提でタイでの暮らしを紹介する番組がときどきあるが、何年前の話をしているのかと、タイに関わって20年経っている筆者は言いたい。  毎日屋台でタイ料理だけを食べていれば確かに安く暮らせるが、案外、タイ料理は油が多く、日本人の体質に合わない。和食を食べると日本よりも高くつく。  物価の上昇も著しいので、タイはいろいろなものが高い。携帯電話の端末や電化製品なども日本より割高だ。その中でも特に自動車はたとえタイ国内生産であっても日本の1.5倍から2倍の価格帯になる。  たとえばホンダの「フィット」はタイでは「ジャズ」という名称で、日本はRSというクラスが小売り希望価格が約205万円に対し、タイ生産で若干仕様は異なるが同じRSで約74万バーツ(約258万円)である。輸入車になればもっと高く、税金が高めに設定されるスポーツカーなら日本円で3倍前後にもなる。  平均所得から考えれば車は贅沢品ではあるが、公共交通機関があまり発達していないタイは車は必需品だ。ただ、タイは中古車も高く、新車購入は高くつくけれども、高く売ることができるため、うまく売り抜けることができればトータルで支払う額を安く抑えることができる。つまり、タイでは新車を買った方が得なのだ。

平均所得からしても贅沢品の車をタイの人はどう買うのか?

 いずれにしても新車は高い。そんな中で一般タイ人はどのように安く新車を購入するのか。これは日本にはない購入方法がいくつかある。変わった方法では、タイ税関が開催するオークションという手がある。
赤いプレートは新車登録中

タイは仮ナンバー制度があり、赤いプレートは新車登録中の証になる

 税関オークションでは輸入車に限られるが、税関が差し押さえた輸入車が出品される。タイは中古車の輸入が原則禁止のため、基本的には新車だ。高い税金を払えなかったり、密輸で差し押さえられたフェラーリなどの高級車が一般市場価格より安く手に入るのがこのオークションのメリットになる。政府が主催するわけだが、キャンペーンガールなども立つなどタイらしさのある雰囲気で、参加者も楽しそうである。  ただ、当然スポーツカーは安いとはいえ、数千万円レベルで最低価格が設定されるので一般的とは言えない。一般的な所得世帯が安く新車を手に入れたい場合、向かう先はモーターショーである。
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ガチの商談が繰り広げられるモーターショー
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