▼【2019年01月】
裁判が始まり、ニュースが増える。初期の頃の「警察側からの報道」とは変わり、モロ氏側からの記事が増える。
**【2019年01月07日】弁護士ドットコム『
コインハイブ問題、注目の裁判始まる 仮想通貨マイニングは違法?』**
事件を振り返りつつ、支援の声が相次ぐことを紹介。
**【2019年01月09日】朝日新聞デジタル『
仮想通貨、他人PCで無断採掘 初公判で無罪主張』**
「男性側は、「ネット上の広告などと同様だ」として無罪を主張したうえで、「仮に不正だとすれば、多くのプログラムが犯罪となり、日本のインターネットの将来に直結する」と訴えた」と。
**【2019年01月09日】弁護士ドットコム『
コインハイブ事件で初公判 「ウイルスではない」と無罪主張』**
検察側、弁護側の主張を掲載。
**【2019年01月09日】日経 xTECH『
Coinhive設置で初公判、ウイルス罪に問われた男性が無罪主張』**
**【2019年1月9日】朝日新聞デジタル『
無断で他人のPC作動させ仮想通貨採掘 注目集める裁判』**
**【2019年01月15日】マイナビニュース『
仮想通貨マイニングが上位独占 – 12月マルウェアランキング』**
先月に続いて「Coinhive」が1位。
**【2019年01月15日】弁護士ドットコム『
コインハイブ事件 高木浩光氏が公判で証言「刑法犯で処罰されるものではない」』**
高木浩光氏の主張は、
自身のサイトが詳しい。
**【2019年01月17日】弁護士ドットコム『
コインハイブ事件、被告人質問 「JavaScriptで同意を取るほうが稀」』**
**【2019年01月30日】ねとらぼ『
なぜコインハイブ「だけ」が標的に 警察の強引な捜査、受験前に検挙された少年が語る法の未整備への不満』**
検挙を受けた少年へのインタビュー。
▼【2019年02月】
裁判のニュースとともに、「Coinhive」のサービス終了が報道される。
**【2019年02月15日】マイナビニュース『
1月マルウェアランキング、Linuxサーバ狙う新マルウェア観測』**
前月と同様「Coinhive」が1位。
**【2019年02月16日】ねとらぼ『
「お前やってることは法律に引っかかってんだよ!」 コインハイブ事件、神奈川県警がすごむ取り調べ音声を入手』**
警察が、恫喝による自白強要をしている音声証拠が出てくる。
**【2019年02月18日】弁護士ドットコム『
コインハイブ事件、男性に罰金10万円を求刑 弁護側は無罪主張』**
公判が結審したあとの記事。検察、弁護側双方の主張が掲載。
**【2019年02月18日】日経 xTECH『
仮想通貨マイニングのCoinhive設置巡る刑事裁判が結審、判決は3月27日』**
裁判が行われたこと、判決が3月27日に出ることを報道。同『
日本経済新聞』。
**【2019年02月18日】朝日新聞デジタル『
他人のPCで勝手に仮想通貨を採掘 被告に罰金求刑』**
警察、検察側に立った記事。
**【2019年02月26日】日経 xTECH『
仮想通貨マイニングのCoinhive設置裁判、技術者に問われている社会的許容』**
**【2019年02月27日】ねとらぼ『
仮想通貨マイニングツール「Coinhive」、サービス終了へ』**
「Coinhive」サービス終了のニュースが流れ出す。
**【2019年02月27日】ITmedia NEWS『
Coinhive、3月8日にサービス終了 Moneroの価値暴落など響く』**
**【2019年02月28日】INTERNET Watch『
サイト訪問者のCPUパワーで仮想通貨の採掘を行う「Coinhive」がサービス終了、その原因は』**
**【2019年02月28日】CNET Japan『
仮想通貨マイニングサービス「Coinhive」が3月8日に停止–経済的に継続が不可能』**
▼【2019年03月】
無限アラート事件の報道が始まり、コインハイブ事件が引き合いに出される。そちらは、根が地続きではあるが別の事件なので、無限アラート事件が中心のニュースは割愛する。
**【2019年03月07日】ITmedia『
「ループURL貼って補導」「Coinhive逮捕」に、“JavaScriptの父”ブレンダン・アイク氏も苦言』**
2件の事件が、セキュリティ的な観点から、いかに馬鹿げたことなのかの話。
**【2019年03月08日】日本経済新聞『
サイト閲覧で「採掘」 コインハイブ、議論残して終幕』**
**【2019年03月13日】ITmedia『
「いたずらURL」補導にCoinhive事件、“警察や法律を頼れない時代”に私たちがすべきこと』**
「ネットでは一定数「警察に捕まったから犯罪なのだ」と判断している人がいます」と指摘。そうした無知が、自分の首を絞めると。
**【2019年03月14日】マイナビニュース『
2月マルウェアランキング – 今月もCoinhiveが第1位』**
今月は1位。翌4月には「Coinhive」は6位に落ちる。
**【2019年03月19日】ITmedia『
「ウイルス罪」適用範囲、全都道府県警に開示請求 エンジニアが進ちょく公開、議員に陳情も……いたずらURL事件受け』**
相次ぐ警察による「ウイルス罪」濫用に対して、情報公開請求を行うエンジニアが現れる。そのSUGAI氏は、進捗を
IT議論にて公開している。
**【2019年03月20日】ITmedia『
セキュリティ勉強会休止、「攻撃コードの研究発表でも逮捕されかねない」と懸念 いたずらURL事件受け』**
「逮捕された後不起訴になった場合でも、「逮捕歴が付くとアメリカに渡りたくてもビザが下りないなど、人生設計が狂うほどの影響がある」とし、学生など若い参加者のリスク管理のためにも勉強会の休止を決めた」と。
警察の胸先三寸の運用は、日本のセキュリティ業界を衰退させる。主催のozuma氏は、情報公開請求を行っており、その進捗を
自身のサイトで公開している。
**【2019年03月25日】時事ドットコム
仮想通貨の無断「採掘」違法か=他人PC使うプログラム-27日判決・横浜地裁』**
判決直前の報道が始まる。
**【2019年03月26日】弁護士ドットコム『
コインハイブ事件、経緯総まとめ 「ウイルス罪」相次ぐ摘発に萎縮も』**
判決が出る前の総まとめ。
**【2019年03月27日】産経ニュース『
他人PCで「採掘」は違法か きょう地裁判決 仮想通貨新技術どう判断』**
以下、無罪判決の速報や記事。
**【2019年03月27日】ねとらぼ『
コインハイブ事件 横浜地裁、Webデザイナー男性の主張認め「無罪」判決』**
**【2019年03月27日】弁護士ドットコム『
【速報】コインハイブ事件、男性に無罪判決 横浜地裁』**
**【2019年03月27日】時事ドットコム『
仮想通貨の無断「採掘」無罪=他人PC使うプログラム-摘発デザイナーに・横浜地裁』**
**【2019年03月27日】毎日新聞『
他人のPCで「無断採掘」無罪 仮想通貨のプログラム設置男性 横浜地裁判決』**
「男性は判決後の記者会見で「ひとまず安心した。ただし、家宅捜索をされ取り調べを受けるという裁判までのフローは問題だったと思う」と話した」と。
**【2019年03月27日】日本経済新聞『
仮想通貨「採掘」 他人のPC無断利用に無罪 (写真=ロイター)』**
**【2019年03月27日】ITmedia『
Coinhiveで“無断採掘”に無罪判決 横浜地裁』**
**【2019年03月27日】NHKニュース『
仮想通貨獲得のプログラム「ウイルスではない」と 無罪判決』**
多様な意見が掲載されている。NHKのサイトは一定期間でニュースが消えるので、箇条書きで引用。
* 横浜地方検察庁 竹内寛志次席検事:判決内容を精査し、上級庁とも協議のうえ適切に対応したい
* 男性を検挙した神奈川県警察本部サイバー犯罪対策課:コメントすることはありません
* 甲南大学法科大学院 園田寿教授:『無断で自分のパソコンが金もうけに使われても文句は言えない』とも受け取れる判決で、専門的な知識がないユーザーのネットに対する不信感を高めるのではないか
* 立命館大学 上原哲太郎教授:インターネットといういろいろな技術が投入される世界で、賛否両論ある課題に対して、警察が一方的に不正と結論づけることに警告を与える意味のある判決だ
**【2019年03月27日】産経ニュース『
ウェブデザイナー男性に無罪判決 「罪に該当しない」横浜地裁』**
**【2019年03月27日】日経 xTECH『
コインハイブ設置の男性に無罪判決、「刑事罰に値すると責任を問うのは行き過ぎ」』**
**【2019年03月27日】共同通信『
他人PCで仮想通貨「採掘」無罪 プログラム設置者に、横浜地裁』**
**【2019年03月27日】朝日新聞デジタル『
コインハイブ裁判、無罪の男性「一安心という気持ち」』**
**【2019年03月27日】東京新聞『
仮想通貨無断採掘、無罪 他人PC利用「ウイルス」否定』**
**【2019年03月27日】毎日新聞『
マイニング不正:他人PC無断作動、無罪 「刑事罰、行き過ぎ」 横浜地裁判決』**
**【2019年03月27日】弁護士ドットコム『
コインハイブ事件で無罪判決 弁護人「警察の暴走、食い止められることを願う」』**
速報のあとの詳細な記事。「コインハイブの一斉摘発が明るみに出たのは、2018年6月だった。2018年中に28件21人が検挙されており、略式命令を受け罰金を支払った人もいるとみられる」として、「略式を受け入れて、有罪判決となった人の救済は今後の課題だ」と。コインハイブ事件が、冤罪事件だということが分かる。
また平野弁護士は「在宅で取り調べている限り国選弁護人制度もない」と難しさを語っている。
**【2019年03月27日】朝日新聞デジタル『
仮想通貨採掘「乱暴に摘発された」 無罪の男性側が批判』**
**【2019年03月28日】毎日新聞『マイニング不正:他人PCで仮想通貨「採掘」無罪 無断作動「ウイルス」否定 横浜地裁判決』**
**【2019年03月28日】AbemaTIMES『
コインハイブで無罪判決、捜査機関に苦言も…法とモラルと業界ルール、丁寧な議論を』**
モロ氏が生出演したAbemaNewsの書き起こし記事。裁判についての詳しい話が掲載されている。警察の問題が多く指摘されている。
**【2019年03月28日】ITmedia『
「ウイルスには該当しない」 Coinhive裁判、無罪判決の理由』**
**【2019年03月29日】弁護士ドットコム『
コインハイブ無罪判決の影響は 研究者「同様の問題が起こる可能性」を指摘』**
<文/柳井政和>
やない まさかず。クロノス・クラウン合同会社の代表社員。ゲームやアプリの開発、プログラミング系技術書や記事、マンガの執筆をおこなう。2001年オンラインソフト大賞に入賞した『めもりーくりーなー』は、累計500万ダウンロード以上。2016年、第23回松本清張賞応募作『バックドア』が最終候補となり、改題した『
裏切りのプログラム ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬』にて文藝春秋から小説家デビュー。近著は新潮社『
レトロゲームファクトリー』。