コインハイブ事件で検察側が控訴。一連の騒動、そして「Coinhive」とは何だったのか?

柳井政和

「コインハイブ事件」報道。警察対応への疑問の声も

▼2018年06月  コインハイブ事件報道の月。一気にニュースが増える。 **【2018年06月11日】読売新聞オンライン『他人のPC「借用」仮想通貨計算 ウイルスか合法技術か : テクノロジー』**  摘発が相次いでいると報道すると共に、不正かどうかは判断できない。裁判官による評価が必要と。解釈だけで刑が確定していくことに疑問を呈している。事件直後としては、珍しく懐疑的な記事。 **【2018年06月12日】ITmedia NEWS『Coinhive設置で家宅捜索受けたデザイナー、経緯をブログ公開 「他の人に同じ経験して欲しくない」』**  自分のサイトに「Coinhive」を設置したことのある岡田有花氏の記事。モロ氏が掲載した事件の経緯を中心に紹介。 **【2018年06月12日】SANSPO.COM『仮想通貨「無断採掘」疑い、サイト運営者書類送検 立件が明らかになるのは初』** 「今月中旬をめどに立件する見通し」と、警察発表を報道しているのみ。同『産経ニュース』『SankeiBiz』。 **【2018年06月13日】日本経済新聞(共同通信)『仮想通貨「無断採掘」疑い サイト運営者を書類送検』**  警察発表を中心に報道。最後に「平野弁護士は「ウェブ広告と同じ仕組みで、ウイルスには当たらない」と無罪を主張している」と短く添えている。 **【2018年06月13日】ITmedia『Coinhive設置で家宅捜索受けたデザイナーをCoinhiveで支援するサイト登場』**  岡田有花氏の記事。モロ氏を支援したい人たちがいると紹介。 **【2018年06月14日】INTERNET Watch『「Coinhive」で家宅捜索を受けたサイト運営者が刑事裁判を起こすことを表明、支援の声続々』**  ネット上で支援の声が広がっていることを紹介。 **【2018年06月14日】産経ニュース『アイドル関連HPにウイルス 無断で仮想通貨を採掘 30歳男性を書類送検 千葉県警』** 「自らが開設したアイドルなどに関する趣味のホームページにウイルスを設置し、ホームページにアクセスした千葉県内の男性などのパソコンを感染させたと」報道。同『SankeiBiz』。 **【2018年06月14日】産経ニュース『違法マイニングで16人摘発 10県警、仮想通貨獲得で不正アクセス』** 「16人は18~48歳の学生や会社員、自営業など。全員男で、3人が逮捕、他は書類送検された」「各県警は、閲覧者の同意を取らず、無断でマイニングをさせたことから違法と判断した」と報道。 **【2018年06月14日】日本経済新聞『仮想通貨、無断「採掘」の疑い 10県警が16人摘発』** 「摘発されたのは18~48歳の会社員や学生らで、いずれも男性。今年3月から6月13日の間に3人が逮捕、13人が書類送検された」。末尾で、モロ氏の弁護人を務める平野弁護士が、記者会見で摘発に反論したと付記。 **【2018年06月14日】朝日新聞デジタル『仮想通貨「採掘」に他人のPC無断使用容疑 16人摘発』** 「今年3月以降、18~48歳の男性16人を摘発した」と報道。 **【2018年06月14日】ITmedia『「マイニングツールを明示せずに設置、犯罪になる可能性」 警察庁の注意喚起、ネット上で波紋』** 「『警察はやり過ぎだ』 ネット上では批判」と紹介。 **【2018年6月14日】毎日新聞『仮想通貨:「マイニング」PC無断使用 国内初の立件』** **【2018年06月14日】日経 xTECH『警察庁が注意喚起、閲覧者に明示しないマイニングツール設置は「犯罪になる可能性」』**  裁判の結果を待たずに警察庁による注意喚起がなされ、その報道が始まる。 **【2018年6月15日】毎日新聞『仮想通貨:マイニングはPCにどの程度の影響を与えるか』** **【2018年6月15日】INTERNET Watch『仮想通貨をマイニングする機能なし、ただCPU使用量がもりもり上がるだけのJavaScript公開中』**  警察が問題視している「意図しない動作」への疑問を、実装で示す人が現れる。 **【2018年06月15日】京都新聞『滋賀県警は大学生摘発 不正マイニング疑い』** 「滋賀県警は不正指令電磁的記録保管の疑いで、東京都三鷹市の男子大学生を書類送検した」「大学生は報酬として数百円もらっていた」と、警察のサイバー犯罪への活動を紹介。 **【2018年6月15日】朝日新聞デジタル『コインハイブ採掘「悪いことなの?」 サイト運営者語る』**  モロ氏へのインタビュー記事。 **【2018年6月15日】INTERNET Watch『コインマイナーをサイトに設置して犯罪になる条件とは? 警察庁と神奈川県警に問い合わせてみた』**  事件から数日、警察への検証が始まる。神奈川県警察本部サイバー犯罪対策課は「明示についてはさまざまな手法があると思慮されるところ、具体的な方法、条件について県警察がお答えする立場にございません」と、具体的な方法、条件については答えられないと回答。 **【2018年6月15日】日本経済新聞『警察庁、仮想通貨の採掘ツール設置に注意喚起』** **【2018年06月16日】東スポ『仮想通貨マイニング摘発の是非 法廷闘争に持ち込まれる可能性も』**  IT関係者の意見として両論併記。 **【2018年06月16日】ねとらぼ『警察庁が「仮想通貨マイニングツール」に注意喚起 「法的根拠が示されていない」と批判も』** 「マイニングツール設置で摘発、批判の声も」「弁護士「Coinhiveが違法ならWeb広告なども違法になってしまう」」「「解釈がめちゃくちゃアバウト」摘発を受けた側からも懸念」と問題点を指摘。 **【2018年06月19日】弁護士ドットコム『仮想通貨マイニングの摘発、「法律で規制する問題ではない」と田中弁護士が批判』**  大手ではないが有用なサイト。この事件の報道の中心的な存在になる。上記記事では、弁護士による批判を掲載。 **【2018年6月19日】INTERNET Watch『今週のブロックチェーン:Coinhiveはマルウェアなのか?』** 「警察庁からマルウェアにあたると解釈されている」「今後の警察庁の対応、世論の動向、場合によっては裁判の動きなどには要注目の話題」と紹介。 **【2018年06月20日】ITmedia『JavaScript実行時、「閲覧者の了解をいちいち得る」ページ登場 「Coinhiveより嫌」「悪夢」と話題』**  先述の岡田有花氏の記事。IT業界からの警察への問題提起を紹介。 **【2018年06月21日】日経 xTECH『仮想通貨の無断採掘を警察が一斉摘発、ウイルス罪適用には異論も』**  少しずつ、警察に疑問を呈する記事が増えてくる。 **【2018年06月21日】INTERNET Watch 『これがあるべきサイトの姿? あらゆるスクリプトにいちいち許可を求めるサイトが登場』** **【2018年6月28日】日テレNEWS24『コインハイブ事件、取り締まりに疑問の声も』** **【2018年06月29日】ねとらぼ『「プログラムの実行を許可しますか?」 いちいち全部のJavascriptに「はい」を押さないと見られないサイト爆誕 開発の意図は?』**

報道は落ち着くが逮捕者の苦難は続いていた

▼【2018年07月】  報道は一旦落ち着く。しかし、警察に検挙された人々の苦難は、報道がない間も続いている。 **【2018年07月06日】マイナビニュース『サーバサイドでも行われる大規模な仮想通貨マイニング発覚』**  コインハイブ事件とは関係のない話題。「サーバサイドにおいても仮想通貨マイニングが実施されていることがわかった」と。 **【2018年07月06日】マイナビニュース『バンキング型トロイの木馬が増加 – 6月マルウェアランキング』** 「仮想通貨マイナーであるCoinhiveとCryptolootが1位と2位をキープ」と。 **【2018年07月10日】@IT『仮想通貨「Coinhive」をどう考えればよいのか (1/3):セキュリティクラスタ まとめのまとめ 2018年6月版』**  先月の話題としてコインハイブ事件を紹介。 **【2018年7月25日】毎日新聞『質問なるほドリ:マイニングって何? 仮想通貨計算で報酬 他人PCに代行させ問題に=回答・李舜』** ▼【2018年08月】 **【2018年08月17日】マイナビニュース『IoTを対象とした攻撃増加、7月マルウェアランキング』** 「2018年7月も仮想通貨マイナーが上位を占めて」いると。1位は「Coinhive」のまま。 **【2018年8月21日】INTERNET Watch『神奈川県警の「コンピュータ・ウイルス事犯対応要領」が公開されるも、主要箇所は黒塗り』** 「梅酒みりん(@PokersonT)氏が神奈川県警に対して6月に情報開示請求を行っ」た結果を公表。「多くが黒塗りされており、何をすれば犯罪として成立するのか、その判断基準は全く読み解けない内容となっている」。  当該文書が掲載されているツイート。 **【2018年08月24日】マイナビニュース『マルウェア半減もフィッシングが増加。その背景に潜むものとは?』**  キヤノンITソリューションズの説明会を紹介。「仮想通貨に対する脅威」として、「CoinhiveもしくはCoinhiveをベースにしたスクリプト」の問題を指摘。同『@IT』。 **【2018年08月27日】マイナビニュース『ブラウザベースの仮想通貨マイニングが違法となる線引きとは?』** 「Avast脅威研究所のセキュリティ研究者であるマーティン・フロン(Martin Hron)氏の仮想通貨マイニング用Webスクリプトの合法性に関する見解」を紹介。「フロン氏は「通知を伴わない仮想通貨マイニングスクリプトを警察が禁止することに正当な権限がある」と」見解を示す。 ▼【2018年09月】 **【2018年09月12日】日経 xTECH『はたしてそれはウイルスなのか? Coinhiveによる採掘問題 – 徳丸浩のWebセキュリティ事件簿』**  セキュリティ専門家 徳丸浩氏の記事。「Coinhive」「Wizard Bible」事件を取り上げている。「明確な基準が分からないというのが一番つらいです」と。  続き『「ウイルス法」のあいまいな適用がセキュリティ意識を萎縮させる』。 **【2018年09月13日】マイナビニュース『トロイの木馬が再活性化 – 8月マルウェアランキング』**  1位は前月同様「Coinhive」。 **【2018年9月26日】クラウド Watch『マイニングツールによる犯罪が急増、クラウドを活用するケースも――、チェック・ポイントが指摘』** 「2018年上半期に企業ネットワークで検出された割合の高いマルウェアの上位3つは、Coinhive(25%)、Cryptoloot(18%)、JSECoin(14%)の順。いずれもマイニングツール」。 ▼【2018年10月】 **【2018年10月05日】ASCII.jp『自分のパソコンが仮想通貨採掘に勝手に使われる!?』**  不正な仮想通貨マイニングについて2017年頃から振り返る総括的な記事。 ▼【2018年11月】  話題は枯渇する。 ▼【2018年12月】  2018年を振り返る記事で軽く触れられる。当事者の苦難は続いている。 **【2018年12月18日】INTERNET Watch『知らぬ間に仮想通貨マイニング、「GhostMiner攻撃」が狙う先は? そしてDDoSはワイドショー型攻撃へ!?』** **【2018年12月27日】ZDNet Japan『2018年のセキュリティニュースで目立った「価値観の違い」』。**
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