親に虐待されても、子どもは被害を自覚できるわけではない
子どもは「自分が親にされていることは虐待だ」と認知できるのか
自分を虐待してきた親への手紙 応募者の平均年齢は30歳
執筆者たちは過去の虐待についてのみ書いたのではなく、過去から現在まで続く虐待の被害と、それに対する自分の認識の変遷について書いていた。
採用の際、応募原稿の年齢を見て、その割合に応じて100通を選んで収録した。10代が全体の1割なら10代から10点を採用したわけだ。だが、採用された人の平均年齢は1997年版で29歳、1998年版で29歳、2017年版で34歳だった。
(※平均年齢は、採用者数から「年齢不明」を除いた人数の年齢の合計を有効人数で割って算出。小数点以下は切り捨て。年齢不明は、応募者の希望による)
3冊の有効人数の合計は、308名。
3冊の平均年齢の合計92歳から平均を求めると、30歳。
子どもの頃の虐待によって刻印された傷は、中年や高齢者になった後でも被害当事者を苦しめ続けているため、成人しても親の支配下から逃れるのも難しければ、親元から離れて暮らしたいと思っても自信をもてない人が少なくない。
その結果、「これは虐待だ」「逃げていいことだ」とはっきりと自覚するには、それなりに年月がかかってしまい、自覚しても、他人に相談したり、本に投稿することで「親バレ」するのを恐れてしまう。
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