プログラマ御用達サイトの現CEOがブログで次期CEOを募集。どんなサイト?

柳井政和
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Image by Mudassar Iqbal via Pixabay

プログラマならよく知っているQ&Aサイトが新社長を募集

Stack Overflow」というサイトを知っているだろうか? 知っている人はプログラマである可能性が高い。プログラマとして普通の行動をしていると高頻度で出会うサイトだからだ。  この「Stack Overflow」が、次のCEOを募集しているという。創業者の Joel Spolsky が自身のブログに、そうした内容のエントリを投稿した。 「……こうしたミッションを率いる相応しいCEOを見つけるのは簡単ではない。私たちはきっと高額なヘッドハンターを雇うだろう。しかし、ここは Stack Overflow だぜ。私がこれまでに学んだことは、私が解答できない質問に答えられる誰かが、コミュニティにはいつもいたということだ。」  くだけた感じで訳すとこんなところか。こうした台詞が、ユーモアとして出てくる土壌が「Stack Overflow」にはある。プログラマ御用達のサイトのCEOが、なぜこうしたエントリを投稿したのか。「Stack Overflow」について書くことで、プログラマ以外の人にも伝わればと思う。

世界トップ50アクセスに入る「Stack Overflow」

 そもそも「スタックオーバーフロー」という用語は、プログラミング用語だ。「スタック」はデータ構造の1つ、「オーバーフロー」は溢れ出すこと。「スタックオーバーフロー」とはプログラムのバグの一種だ。 「Stack Overflow」というサイトの名前は、設立者のブログの読者投票で決まった。このサイトは、プログラミング領域における知識共有コミュニティ、平たく言うとQ&Aサイトだ。  さて冒頭の文章に戻る。「Stack Overflow」というサイトを知っている人は、プログラマである可能性が高い。そう言い切るのには理由がある。プログラマは、プログラムを書いている時に、よく問題に直面する。  動くと思うコードが動かない。コードが想定した動作をしない。なぜかエラーが出る。なぜか止まる。その理由がさっぱり分からない。  そうした時、その理由を考え、手掛かりを探そうとして検索エンジンを利用する。プログラムの関数名をキーワードにする時もある。もっと具体的なのは、出力されたエラーメッセージを「”~”」でくくって検索することだ。  何か情報はないか。自分が見落としている前提条件はないか。ずばりの解決方法が書いてあったら、この上なくラッキーだ。そうした期待とともに検索結果を見ると、かなりの高確率で出会うのが「Stack Overflow」というサイトだ。  一縷の望みを託してGoogleのリンクをクリックする。そして、おそるおそるWebページを見る。そこには質問と解答が掲載されている。それも複数の異なるアプローチの解決方法が並んでいる。ページには問題を解決したコードと、どのように解決したかの説明が書いてある。有用な解答は、読者投票で高ランクになっていて一目で分かる。  筆者も、何度となく「Stack Overflow」にたどり着いて、数々のコードを読んできた。多くの問題が解決したし、解決しなくても他のアプローチのための知識を得た。そうしたことを重ねることで、「Stack Overflow」というサイトが有用であることを認識していった。 「Stack Overflow」は、Jeff AtwoodJoel Spolsky によって2008年に開始された。2019年3月時点で登録ユーザは約1020万人であり、2600万を超える質問が存在する(Stack Overflow – Wikipedia)。  それぞれの質問にはタグが付いており、そのタグの付いた質問の数も確認できる。本記事を書いている時点での数字を掲載する。「javascript」179万397件、「java」153万4572、「c#」130万975。100万以上の解答のあるタグが6種類、10万以上の解答のあるタグが55種類。いかに巨大なサイトであり、知識が蓄積されているのかが分かる(Tags – Stack Overflow)。  ウェブサイトのアクセス数をランキングしていることで有名な「Alexa」では、「stackoverflow.com」は世界トップ50のWebサイトの1つとなっている。  記事執筆時点では46位。ちなみに「stackoverflow.com」よりも上のサイトは、43位「Amazon.co.jp」、44位「Github.com」、45位「Xvideos.com」。下の47位は「Bilibili.com」である。これらと比較することで、その規模感が分かるだろう。その大きさから、プログラマーでない人でも、存在を知っておいてよいサイトだと言える。
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知の共有の場としてデザインされた空間
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