韓国の高学歴就職難は、日本にとっても「対岸の火事」ではない

 日本の労働市場が人手不足に悩まされる一方、韓国では若者の失業率の上昇が問題となっている。’17年には青年失業率(15~29歳)が過去最悪の12.3%を記録し、その後も劇的な改善は見せていない。’97年のアジア通貨危機以降、韓国では少なくとも’00年からこの状態が続いており、解決に至っていない。しかし、人手不足にあえぐ日本と、エリート人材が余っている韓国は合わせ鏡のようなものだ。

日本の大企業が韓国人の積極雇用に乗り出す!?

 そこで昨今、日本の大企業が韓国での求人を強化しているという。韓国の大韓貿易投資振興公社(KOTRA)が外資系を含む日本企業177社を調査したところ96%が韓国人の採用を希望しているという結果が出た。そのうちすでに83.6%が雇用実績があり、70.6%の企業が満足していると回答している。  また昨年11月、釜山で行われた「日本海外就業博覧会」には1000人以上の韓国の就活生が集まった。その後ソウルでも開催され、日本への就職イベントの中では最大規模に。ソフトバンク、日産、全日空などの超優良企業をはじめ、LCDガラス世界シェア20%の日本電気硝子、ハウステンボスなど112の有名企業が出展し、実際に書類選考を行ったという。  また韓国の日本就職情報サイト「月曜日の東京」では日本での就職体験記や成功事例がユーザーによって共有され、ヤフージャパン、東芝、楽天などに採用された韓国人社員によるセミナーも開催されるなど関心の高さが窺える。

現状はまだうまくマッチングが進まないが…

 日本就職に際してはJLPT(日本語能力試験)N2以上が必須であることに加えITスキルや人柄などが考慮されるが、日本の就職斡旋業者は、次のように話す。 「日本企業からの求人は近年、増えています。勤勉で、英語力もある。ただ、ネックはやはり日本語能力。社によってはネイティブと同程度を求めるのでなかなかマッチしないという実情もあります」という。一方、某企業の人事担当者は「条件を備えていてもマネジメントや交渉も任せられる人材はおらず、5年探しているが見つからない」と話す。日本企業の要求度の高さも関係している可能性がある。  ただちに就職業界が韓流に侵略されることはないだろうが、国際競争力を必要とする企業で、韓国人を積極的に採用する動きが加速するのは想像に難くない。
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対岸の火事では済まされない
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