表情を作れない人は、眉毛の上げ下げだけでも魅力的な顔を演出できる
こんにちは。微表情研究家の清水建二です。
入学、進学、入社…などなど4月に入り、新しい環境や職務に嬉しさ半分、不安半分の今日この頃をお過ごしの皆さん。新しい居場所で自分をアピールする場面が少なからずあると思います。
自己紹介から始まり、新しい職務としての接客、営業、商談と慣れない環境の中、プレゼンテーションをする機会が多々あると思います。
本日は、ちょっとした表情の動かし方を知ることでプレゼンテーションを魅力的に魅せる方法をご紹介したいと思います。
「メラビアンの法則」というのをご存知でしょうか? 非言語コミュニケーションについて少しでも学ばれたことがある方は、ほぼ耳にしたことのある有名な法則です。
メラビアンの法則とは、
言動が一致していないとき、言葉からは7%、声の調子や口調からは38%、ボディーランゲージからは55%の影響を受け、メッセージが適切に伝わらない(Mehrabian, 1971&1981)、というものです。
「言動が一致していないとき」というのがポイントです。メラビアンの法則は、非言語の重要性を説く人々によってこの条件が意図してか意図せずしてか削除され、「常に非言語が言葉より重要」なんてよく誤解・曲解されていますが、
言動不一致状況が生じている場合のみの現象のことを言います。
メラビアンの法則を正しく理解し、非言語表現の仕方が適切か自問自答してみましょう。次の二つの事例を見て下さい。
「本サービスは従来サービスと比べ『大変満足』との声を頂いております。」と言いながら、真顔だったら、本当に満足と評価を受けているのか不安になります。
ここは笑顔で言うところです。
「『申し訳ございません。』現在満席となっております。」と言いながら、笑顔だったら、謝罪の気持ちは伝わって来ません。ここは
悲しみ表情で言うところです(これ、結構あるあるです。接客=笑顔だとナイーブに考えていると、こうしたネガティブ場面でも笑顔になってしまう店員さんが多々います)。
つまり、
意図した想いを相手にちゃんと伝えるには、感情に関わる言葉をそれに合った表情で伝える、ということになります。それでは感情に関わる言葉ではない場合、どのように言動一致させればよいのでしょうか。
メラビアンの法則に代わってここで頼りたい特性は、
表情模倣というものです。私たちには、
他者の表情を見るとその人と同じ表情筋が反応し、似た感情状態になるという特性が備わっています。
皆さんが笑えば、相手も笑う。皆さんが悲しめば、相手も悲しむ。相手の顔は、いわば、皆さんの表情を映し出す鏡なのです。
この特性を利用します。
感情に関わらない言葉に意図した想いを伝えるには、その言葉に付与させたい感情を表現すれば良いのです。例えば、3色のカラーを持つ新商品を販売する営業マンが緑色にポジティブな印象を抱いており、それをお客さんに伝えたいと思えば、
「本商品のカラーバリエーションは赤・青・『緑』です」と言いながら、緑の部分で
「眉を引き上げる」+「口角を引き上げる」という動きをします。そうすることによって、他の色に比べ、緑に興味とポジティブな印象が付与されます。
この感情を表情に現すというのは、自然に出来る人にとっては実に簡単なことですが、出来ない人にとってはとても難しいことです。しかし、表情筋は筋肉ですので、鍛えれば鍛えるほど動きづらい動きも動きやすくなり、意図的に動かすことが出来るようになります。
とはいえ、様々な表情筋の動きを鍛えるのは、やはり大変です。簡単で今すぐ出来る自分の想いを伝える方法はないのでしょうか。