日本政府が「ロヒンギャ難民問題」に対して展開する人権軽視の外交

ラカイン州のロヒンギャ難民キャンプ

photo by UK Department for International Development via flickr(CC BY-SA 2.0)

 「弱いものいじめはだめ」「困っている人がいたら助けてあげて」私たちはそう言い聞かされて育ってきた。読者のあなたが親なら、今も子どもにこんな声をかけているはずだ。

迫害される民から目を背けた日本政府

 では、私たちを代表する日本政府はどうだろう? 日本政府が、世界でもっとも危険にさらされ迫害されている人たちから、肝心なときに目を背けていることをご存知だろうか?  その「世界でもっとも危険にさらされ迫害されている人たち」とは、ミャンマーに住むイスラム教徒の少数民族・ロヒンギャの人たちだ。彼らはミャンマー政府から国籍をはく奪されている。  ’17年夏にミャンマー国軍はロヒンギャに対して大量殺害、性暴力、広範な放火など、筆舌に尽くしがたい残虐行為を行った。この残虐行為の結果、ミャンマーに住むロヒンギャの大半である70万人以上が隣国バングラデシュに逃れ、劣悪な環境の難民キャンプでの生活を余儀なくされている。のちに国連の事実調査団は、ミャンマー国軍のこの行為をジェノサイドおよび人道に対する罪に当たると認定した。  国際社会はロヒンギャ保護に向けて行動を開始した。国連の総会と人権理事会がともにこの残虐行為についてミャンマー政府を強く非難し、正義を求め、国籍取得の権利を含めたロヒンギャの人権を全面的に尊重するよう求めたのだ。

国連の決議案を棄権した日本

 軍事作戦開始から4か月後の‘17年12月に採択されたこの国連総会決議に日本政府はどう対応しただろうか? ロヒンギャに対する過度の軍事力の行使を止めるようミャンマー政府に求めるこの決議は130以上という圧倒的多数の国の賛成で採択されたが、日本政府は驚くべきことに棄権した。  さらに国連は、ロヒンギャの人びとの人権を守るための行動を続ける。国連のミャンマーに関する事実調査団は昨年8月、ミャンマー政府国軍がロヒンギャに対して戦争犯罪、人道に対する罪、そしてジェノサイドを行ったと結論づける報告書を発表した。ちなみにこの調査団報告書は、ミャンマー国軍だけでなく、アラカン・ロヒンギャ救世軍、シャン州とカチン州での政府軍や少数民族武装勢力による暴力についても取り上げている。  国連人権理事会では昨年9月、新たなミャンマー人権決議が35か国の圧倒的な賛成多数で採択され、新たな国際的メカニズムが設立された。国連事実調査団の「人道に対する罪」「ジェノサイド」の認定を受けて設置されたこのメカニズム。’11年以降にミャンマーで起きた「もっとも深刻な国際犯罪の証拠の収集、整理、保存、分析」を行い、「公正で独立した刑事手続の開始を助け促進するための事件記録を準備する」権限が与えられた。  人権蹂躙の責任者を明らかにするメカニズム設置の決議に日本政府はどう対応したか? 悲しいことに、また棄権したのだ。ロヒンギャの人びとからは日本政府に対する大きな落胆の声が聞こえた。
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ミャンマーだけでなく、他国でも無責任な外交を繰り広げる日本
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