一方、サイクリストの不安定な走行は、「自転車の構造」や「ルールに対する知識不足」以外にも、「クルマからの風圧」や「悪質な幅寄せ」などといった外的な要因によって生じることも多い。
中でもドライバーに気付かれにくいのが、彼らの「足元の悪さ」だ。サイクリストが走らされる車道左側には、側溝やゴミ、クルマが作った轍(わだち)などの障害物が数多くある。左側通行である日本の道路は「左低右高」でできており、どうしても道路左側に負担・障害物が集中しやすいのだ。
高齢者の免許返納や若者のクルマ離れ、エコ意識の高まりから、自転車の存在感が高まる昨今。サイクリストの交通マナーの向上だけでなく、こうした路面の整備や自転車専用レーンの確保など、自転車に寄り沿った取り組みも今後必要になってくるだろう。
いずれにしても、この春からサイクリストデビューする方々には、くれぐれも安全運転で走行してほしい。
【橋本愛喜】
フリーライター。大学卒業間際に父親の経営する零細町工場へ入社。大型自動車免許を取得し、トラックで200社以上のモノづくりの現場へ足を運ぶ。日本語教育やセミナーを通じて得た60か国4,000人以上の外国人駐在員や留学生と交流をもつ。滞在していたニューヨークや韓国との文化的差異を元に執筆中。