取材系イベントは、大きな集客効果を図れるが、その集客が
今後のパチンコ店営業には繋がらないという。一時的に集客しても、取材イベント当日に来店した客は、翌日には別の「取材店」に移動して、お店の常連客には絶対にならないというのだ。
イベント目当ての一見さんに出玉を渡すくらいなら、
月に何度も来てくれる常連客に還元すべきだという。
実際に、取材系イベント日には、SNS活用に長けている若年層の客が大幅に増えるので、年配の常連客の中には「その日にはあえて来店しない」という人も多くいる。お店が薄利で営業する日に、常連客が来店しないなんて本末転倒もいいところだ。
最後に。業界内外に様々な意見のあるこの「取材系イベント」。
筆者も色々調べてみたのだが、その実施が禁じられた地域において、宣伝する側のライターやタレントが、「○○区○○(住所)のパチンコ店」などと、具体的な店名を明かさずイベントを告知していたり、実施ホール名と似通った芸能人やアニメキャラクターの写真を貼りユーザーにホール名を連想させるような手法を取っていたりするのには流石に断末魔のようで失笑した。
いまだ日本全国に10000店ほどのパチンコホールがあり、3000以上の会社がある。
市場規模は年々縮小し、ファン離れのスピードも加速していくなか、互いに競合し、過当な競争を余儀なくされるホールが、いくら依存問題が大事だとしても、揃いも揃って「右向け右」になるのは至難の業だ。
それは十分に理解できるが、しかし筆者には、この取材系イベントが、パチンコ業界を維持発展させる施策にはどうしても思えない。
<文・安達 夕
@yuu_adachi>