直撃取材に警察を呼んだ“自己防衛”副大臣<政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第8回>

教団お抱えとの噂もある後援会スタッフが取材妨害

 以降は山本の後援会スタッフ2名が筆者に張り付き、取材妨害を繰り返した。取材の邪魔をしないよう告げたが、逆に「選挙の邪魔だ」と押し問答に。  直撃取材を受けた山本の反応と後援会スタッフによる執拗な取材妨害の一部始終をカメラに収めた。
取材妨害を行い筆者に気色ばむ後援会スタッフ

取材妨害を行い筆者に気色ばむ後援会スタッフ

政治家と連動する警察

 山本陣営からの通報を受けた大船警察署の私服刑事二人が現場に現れた。後援会スタッフが「選挙の邪魔なので、すみません。候補の方、よろしくお願いします」と恭しく頭を下げる。  筆者の取材手法に疑問を呈する刑事へ「本人から了承を得る取材もあれば、得ないまま直接当てる取材もある。山本は公人であり、防衛副大臣という役職に就いている人物なので一般の人と同じ様な配慮をする必要はない。そもそも強引な取材などしていない」と説明。  刑事は「選挙期間中となると選挙の自由妨害に抵触する可能性がある。これが即座に公職選挙法違反の選挙自由妨害罪に抵触するかどうかということはまた検討してみないと分からない」と含みを持たせた。  そして「双方の詳しい話を聞きたいので」と交番への同行を促された。取材映像は交番へ向かう場面で途切れるが、この動画には続きがある。「選挙に関する専従」と名乗った刑事たちとのやり取りだ。  大船駅前の交番が先客で満員だったため、交番前に停めてあった警察車両のワゴン車両内でそれまでの経緯を話した。  しかし、筆者が寄稿した各メディアの記事を示し状況説明を終えても、一向に解放される気配がない。応対した刑事は車外へ出ていき、交代した若い刑事との雑談に応じながら「そろそろ戻りたい」と告げても「もうちょっと待ってください」と車内に留め置かれる。別の場所で警察に事情を訊かれていたはずの山本の後援会スタッフは早々に解放され、交番脇を通って選挙事務所に戻っていったにもかかわらずだ。

「選挙の自由妨害罪」で筆者を逮捕?

 1時間が経過し、当初は和やかだった警察車両内が次第に緊張感を帯びていく。不穏な空気が流れる車内。  筆者が選挙運動を妨害した事実はなく、何ら法に抵触する行為などしていないため当初は鷹揚に構えていた。  しかしこの時、警察は公職選挙法第225条の「選挙の自由妨害罪」で筆者を逮捕できないか検討していた。警察車両に乗り込んだ直後、刑事が取材映像を観たいというので一部を見せたが、これも「選挙自由妨害」に問える場面の有無を確認するためだった。  若い刑事に「即逮捕ということもあり得ますか」と訊くと、それまで「僕、ジャーナリストに初めて会いました。芸能人の張り込みとかするんですか?」と、無邪気に話していた若手刑事は「分からないです」と明確な返答を避ける。  この応対に「逮捕という事態もあり得る」と覚悟し、『やや日刊カルト新聞』の藤倉善郎氏と弁護士に連絡を入れ対応を図った。しかしさすがに「選挙の自由妨害罪」の適用は困難と判断したのか、ほどなくして最初の刑事が戻り「もいういいですよ」と解放され、事なきを得た。警察は、公選法225条を構成する要件に満たないと判断したようだ。実際に選挙の妨害など一切していないのだから、当然のことではあるが。  刑事によると、山本陣営は選挙運動期間中に再び筆者が取材に来ることがないかを警戒している模様だったという。  その際もう一人の刑事は、筆者を山本のもとへ行かせないためか「もう帰りますよね。(山本の)陣営はもういないようですよ、あなたもまっすぐ帰った方がいい」と促してきた。  JR駅改札口へのエスカレーターを昇る筆者を目で追う刑事たち。その視線の死角で迂回し、刑事の言葉を確認すべくモノレール改札口駅へ行くと、そこでは「もういない」はずの山本たちがビラ配りと声かけを続けていた。やはり警察と山本陣営は連携していた。
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「知る権利」を踏みにじる行為
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