保険については、独身や子なし夫婦の場合は、死亡保険分を貯蓄に回すほうが賢明だという。また、よほど通話が必要な職種をのぞけば、格安SIMに乗り換える工夫で通信費も圧縮できる。
「私自身、小学生から社会人まで6人の子供を抱える8人家族ですが、格安SIMに変更したことで7台の携帯代が、月1万円程度で済んでいます」
こうした改善によって、家計のランニングコストは目に見えて減る。横山氏のもとを訪れる世帯年収700万円ほどの相談者を例にすると、支出の見直しによって月に5万~6万円の貯金を捻出できるようになるとか。また、貯金がないからこそ少額の投資をすることで「お金に慣れる」手法も横山氏は提唱している。
「お金に対する意識を変える“ブーストとしての投資”です。例えば、毎月2万7000円の貯金をしながら、同時に3000円でまずはバランス型の投資信託を積立で購入してみる。あくまでスタートですが、ひたすら節約してただ貯金するだけより『無駄遣いを投資に回そう』と思えるようになります」
案ずるより産むが易し。投資と貯金を並走させることこそ、庶民を脱し、富裕層の仲間入りとなる第一歩になるはずだ。
【横山光昭氏】
家計再生コンサルタント。ファイナンシャルプランナーとして、1万5000人以上の家計を再生。『
はじめての人のための3000円投資生活』など著書多数
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