「Google+」終了。多くの負け戦を経験しているGoogle、撤退の歴史

柳井政和

サービス開始&撤退を繰り返すことで有名なGoogle

 さて、莫大な資本と労力を投下したサービスを終了することを決めたGoogleだが、こうした終了は初めてのことではない。Googleという会社は、サービスを始めては撤退を繰り返すことで有名な会社だ。Googleがこれまで終了してきたサービスの中で、私の記憶に強く残っているものをいくつか紹介してみる。 ●Googleリーダー 「Googleリーダー」の開始は2005年、終了は2013年。Web上で使えるこのRSSリーダー(フィードリーダー)が終了する際は多くの人が困った。開始当初は、RSSでの情報収集の価値が大きかった。しかしSNSが情報収集の中心に移り、RSSリーダーの価値が低下した。  同様のサービスである「Live Dwango Reader」(ドワンゴ)は、前身である「livedoor Reader」(ライブドア、現・LINE)の公開が2006年で、2017年にサービスが終了している。RSSを利用して情報収集する層は、総じてITリテラシーが高い。広告を表示しても、無視されることが多かったのではないかと推測している。 ●iGoogle 「iGoogle」の開始は2005年、終了は2013年。自身のスタートページをカスタマイズするサービスで、各種ツールや、RSSなどの表示ができた。  私も便利に利用していたので終了時には困った。終了後は仕方なく、自分で使いたい機能をまとめたプログラムを作成した。 ●Google Wave 「Google Wave」は、2009年にプレビューリリース、2010年5月にサービスを一般公開して、同年8月に開発中止を発表した。サービス自体は2012年まで続けられたが、実質的な寿命は3ヶ月と短命だった。  当時、「Google Wave」の本を執筆されている方がいて、amazonで予約受付中の段階でサービスの停止が発表された。まさか3ヶ月で終了が宣言されるとは思っていなかったのだろう。「Google怖い」と思った記憶がある。 ●Google URL Shortener 「Google URL Shortener」の開始は2009年で、終了予定は2019年3月30日。URL短縮のサービスで、私も利用しているから困っている。  古くからある「TinyURL」の立ち上げが2002年。URL短縮サービスをよく見かける契機となった「Bitly」の立ち上げが2008年。「Google URL Shortener」は、その後追いということで始まり、Google製ということで多く利用された。ただ、収益化という面では難しかったのではないかと感じた。 ●Google Glass 「Google Glass」は、2013年に一般向けの発売開始。2015年1月には消費者向けの販売を終了した。法人向けには、まだ存続している。眼鏡型のウェアラブルコンピュータで、多くの記事がネットに出たので、記憶に残っている人も多いだろう。  ヘッドマウントディスプレイの市場は、現在マイクロソフトが「Microsoft HoloLens」で強い存在感を示している。

フットワークの軽さはときに利用者への不便も

「Google+」が終了するということで、Googleが終了した中で、強く記憶に残っているサービスをいくつか挙げてみた。こうした開始と終了の繰り返しは、フットワークが軽い証拠だと言える。ただ、便利だと思って使っていたサービスが、いきなり終わるのは辛いものがある。  色々と書いてみたが「Google+」は2011年開始、2019年終了ということで8年も持った。移り変わりの激しいIT業界では、長く続いたサービスだと言えるだろう。 <文/柳井政和 Image by MIH83 on Pixabay> やない まさかず。クロノス・クラウン合同会社の代表社員。ゲームやアプリの開発、プログラミング系技術書や記事、マンガの執筆をおこなう。2001年オンラインソフト大賞に入賞した『めもりーくりーなー』は、累計500万ダウンロード以上。2016年、第23回松本清張賞応募作『バックドア』が最終候補となり、改題した『裏切りのプログラム ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬』にて文藝春秋から小説家デビュー。近著は新潮社『レトロゲームファクトリー』。
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