控除だけじゃない。NISA・ふるさと納税でサラリーマンも賢く節税できる

 3月15日、今日はいよいよ確定申告の期限日。サラリーマンでも受けられる控除申告は無事お済みだろうか?  税制改正の頻発、増加する社会保険料などでサラリーマンの手取り額は目減りするばかり。10月に消費税増税を控える今年こそ本腰を入れて対策に乗り出さなければ、もはや生きていけない。取られっぱなしの“税金弱者”から卒業すべく、攻めの節税マニュアルをここに伝授する。  今回は確定申告とはまた別に、サラリーマンでも節税できる2つの制度を紹介するのでぜひ活用していただきたい。

タイプの異なるふたつの「NISA」を活用せよ

3つの非課税運用制度

3つの非課税運用制度

 投資信託で厄介なのは運用益に課される20%の税金。節税策の応用編として、これらが一定期間非課税となる「NISA」のノウハウを見ていきたい。 「NISA」とは、少額投資非課税制度のこと。株式や投資信託の投資を行う際に、通常およそ20%かかる売却益と配当への課税を5年間非課税にする制度だ。 「掛け金の上限は年間120万円と、iDeCoより大きく、投資対象も幅広いのが特徴です。また、払戻時に元本への課税もありません。しかし、NISAは’23年までの制度で延長される見通しも立っていません。そもそも非課税期間が5年なので、短期の運用向きと言えます」(マネーコンサルタントの頼藤太希氏)  一方、長期運用目的で制度化されたのが「つみたてNISA」。こちらは掛け金の上限が年間40万円と少額ながら、運用益が20年間非課税となる制度だ。口座開設期間と非課税期間は’37年までなので、今から口座を開設したとしても19年間は運用益を非課税にできる。 「つみたてNISAの運用の考え方は、長期・分散・積み立て投資。継続して積み立てることが重要なので、一時的に損が出てもやめないほうが得策です」(同)

カギとなるのは銘柄選び

 先に紹介したNISAと違って継続して行う投資のため、銘柄選びも大切なポイントだ。 「仕組み上、リバランス(資産の配分を元に戻す)が難しいので、運用する銘柄は資産配分やリバランスを自動で行うバランスファンドがリスクも抑えられいいでしょう。現在だと“eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)”が同種ファンドで信託報酬が最低水準なのでオススメです」(同)  NISAとつみたてNISAは併用できない点に注意が必要。仮につみたてNISAに月3万円の積み立てを開始し、60歳まで続けた場合、利回り水準3%で121万円の運用益を見込めるほか、14年間で24万5929円が非課税になって得する見込みだ。iDeCoとの併用で節税、資産を構築。老後も安心して迎えられそうだ。
運用した場合

つみたてNISAで月3万円利回り3%で運用した場合(例)

次のページ
ふるさと納税は終わったのか?!
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会