そして、こんなに論理破綻を起こしているのに、批判や反響の大部分が「非常に残念な思いのするもの」と言っているのですから、そもそも
自分が残念な発言を繰り返していることに気付いていただきたいです。わざわざ「どちらでもない」という選択肢があるのに、
「賛成」と「どちらでもない」を合体させて「反対以外」と括ることに何の意味があるのかがわからないし、それなら何のために「どちらでもない」に投じたのかが分からなくなります。「白票」まで合わせてしまうと、いよいよ「白票」を投じた意味はなくなります。ましてや投票に行かなかった人たちまで「反対以外」に加え、「投票に行ったら反対に投じていた」という人たちを無視していることが間違えています。
こうやって統計が歪められていくんだということがよくわかるエピソードです。
ちなみに、下地幹郎先生のツイートに対し、同じ日本維新の会に所属する足立康史先生が何を言っているのかを紹介しておきましょう。
”これは、論外ですね。”(
足立康史氏2019年2月27日のツイートより)
足立康史先生にまで「論外」と言われるのは、一体、どんな具合なんだと思いますが、この「ミキオ算」は
足立康史先生の言う通りに「論外」です。これを平然と言えるところが国会議員として相応しくないので、最後に「ミキオ算」を使って、下地幹郎先生がどれだけの沖縄県民に信任されていないのかをご紹介しましょう。
沖縄の有権者は115万3591人で、下地幹郎さんは沖縄1区なので投票できる人が限られているにしても、投票したのはたったの3万4215人しかいなかったということで、ざっくり3%の人しか下地幹郎さんに投票していません。つまり、
「97%の人は下地幹郎先生以外」の選択をしているので、くだらない発言をしてドヤっている場合ではないのです。
公明党の山口那津男代表まで「ミキオ算」的なことを……
この「ミキオ算」は、公明党の山口那津男代表も似たようなことを言っていました。支持政党別で見ると、基地に賛成しているのは、ほとんど自民党支持者と公明党支持者に限られるのですが、その公明党支持者でも今回の基地建設には「反対」と言っている人の方が賛成を上回る状態です。
この民意をストレートに受け取らず、
絶対投票率という新理論を持ち出し、基地建設を正当化する。沖縄で創価学会を離反する人が続々と出ていることに対する反省はまったくないようです。こうした民意が国会議員によって打ち消される日本は、果たして、民主主義国家と言えるのでしょうか。
<取材・文・撮影/選挙ウォッチャーちだい(Twitter ID:
@chidaisan)>
ちだい●選挙ウォッチャーとして日本中の選挙を追いかけ、取材活動を行う。選挙ごとに「どんな選挙だったのか」を振り返るとともに、そこで得た選挙戦略のノウハウなどをTwitterやnote「
チダイズム」を中心に公開中。立候補する方、当選させたい議員がいる方は、すべてのレポートが必見。