在マドリード北朝鮮大使館、何者かによって襲撃。スペイン紙が報じたその背景

「El Confidencial」紙

キム・チョンヒルについて報じる「El Confidencial」紙

 日本でも報道されたが、2月22日に在スペイン北朝鮮大使館が何者かによって襲われ、職員の口を塞ぎ縛った後、コンピューターや携帯電話などを持ち去るという事件が起きた。  同大使館が所在するのはマドリード市内のアラバカ地区で、そこからわずか1キロ以内にスペインの諜報機関「スペイン中央情報局(CNI)」があるという場所である。  この事件についてはスペインの電子紙『El Confidencial』が他紙に先駆けて詳しい情報を提供している。同紙が報じたいくつかの記事の概要を解説しよう。

22日の午後5時。北朝鮮大使館が何者かに襲われた

 事件が発覚したのは22日の午後5時頃、同大使館から一人の女性が外に逃げ出して助けを求めて叫んでいたのをその地区の住民が気付き国家警察に通報。早速、警官がその場に駆けつけてその女性から事情を聴衆しようとしたが、スペイン語が分からず通訳を介して供述。彼女の説明によると、数十から成る拳銃を持ったグループが館内に侵入して館内にいた職員らを縛り、頭から袋のようなものを被せて尋問したという。一部の職員は彼らから暴行も受けたという。  その日は同大使館には訪問客がいたことから、犯行グループが想像していた以上の人数がいたということで、結局9人を拘束したという。ところが、一人女性職員が彼らの隙間を突いて外に逃げ出すことが出来て大声で助けを求めたというわけである。(参照:「El Confidencial」3月1日付同3月2日付」)  その彼女からの供述のあと、警官は同大使館のブザーを押して事情を聴衆しようとしたところ、館内から背広を着て、襟には北朝鮮固有のピンを着けた一人の男が出て来て「何も問題ありません。すべて正常です」と答えたという。しかし、警官は分からないように外から監視を始めた。それから数分後に表の扉が開き2台の大使館のプレートがついた高級車がスピードを上げて飛び出して行ったという。この2台はAudi 8とMerdeces-Benz Vianoであった。それから数分後に館内で拘束されていた職員らが外に出て来たそうだ。またこの2台の車もそのあと放置されていたのを警察が見つけている。一時は、同大使館の周囲を最高15台のパトカーで囲んだそうだ。(参照:「El Confidencial」2月27日付同3月2日付」)
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囁かれる犯行グループの正体
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