優秀な経営者は「サイコパス性」を持つ? 理性と感情のスイッチを切り替える方法

山本マサヤ

感情と理性のスイッチを切り替える

 サイコパスの脳は情動に関わる認知領域である前頭前皮質腹側システムの機能が乏しく、理性的な認知領域である前頭前皮質背側システムは活発である。情動的な機能が弱いことで、相手のことを考える共感性が低く、非合理的な行動を起こすことが少ない。感情の影響を受けずに、理性的・合理的に行動することができるのだ。  それを、後天的に実現できる方法について、ケース・ウェスタン・リザーブ大学の研究をご紹介する。  この研究では、45人の大学生を集めて、共感能力が必要な問題と分析能力が必要な問題を受けたときの脳の状態を分析した。  すると、共感能力を司る領域が活性化しているときは分析能力を司る領域は活動が抑制され、逆に分析能力が活性化しているときは共感能力を司る領域の活動が抑制されていることがわかった。つまり、共感能力と分析能力は同時に働かせることが難しいのだ。  この脳の仕組みを活用することで、サイコパス性の特徴を持った人たちのように、感情に流されるわけでなく、合理的な判断ができるようになるのではないだろうか? つまり、目の前のことに対して感情的になりそうなときに、分析能力を活性化させるため、「なぜ?」という問いを自分に投げかけるのだ。  たとえば、理不尽なことを言われて思わず感情のスイッチを入れそうになったときは、「なぜ、この人はこういうことを言うのだろう?」と、理性のスイッチを入れるのだ。  そうすると、分析能力の領域が活性化し、感情的な領域の活動が抑制される。自分が受けている理不尽なことに対して「ふざけるな!」と感情的に反撃するわけでなく、冷静に対応ができるようになる。  筆者が外資系保険会社に勤めていて、日本全国2位の成績を残したことのある方に「あなたは仕事で理不尽なことがあったら、感情的にならないんですか?」と聞いたときのことだ。この質問に対して、彼は「感情的になる前に、『なぜこの人はこういうことをするんだろう』という疑問が湧くんだ」と答えた。優秀な人ほど無意識にサイコパス性を発揮しているんだと思った。  サイコパス性の重要性について言及したが、決して感情的なことを否定しているわけではない。恐怖心や非合理性は自分を守る本能的な防御反応の場合もある。読者の皆さんにはサイコパス的な合理性と非合理性をうまく使いわけて、人生を充実させるために活用してもらいたい。 【参考資料】 『Empathy represses analytic thought, and vice versa.』EurekaAlert 『「経営者には“サイコパス”が多い」不都合な真実』PRESIDENT ONLINE 『「サイコパス」の脳内構造はこうなっている』東洋経済ONLINE 『マンガ もしも崖っぷちアイドルが心理学を学んだら』堀田秀吾ら 【山本マサヤ】 心理戦略コンサルタント。MENSA会員。心理学を使って「人・企業の可能性を広げる」ためのコンサルティングやセミナーを各所で開催。これまで数百人に対して仕事やプライベートで使える心理学のテクニックについてレクチャーしてきた。また、メンタリズムという心理学とマジックを融合した心理誘導や読心術のエンターテインメントショーも行う。クラウドワークスの「トップランナー100人」、Amebaが認定する芸能人・著名インフルエンサー100人に選出。●公式ホームページ ●Twitter:@3m_masaya ●Instagram:@masaya_mentalist
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