あえて手書きで記入することで、自分なりの相場観を養う
毎日記入する7つの指標も「記入して終わり」ではもったいないと思います。情報が時系列で積み上がってくると、さまざまな利用の仕方が可能になり、自分なりの相場観を養うために役に立ちます。
たとえば私の場合、毎月の初日の株価に注目します。ダウとシカゴ先物と日経平均の3項目です。初日の株価が前月最終日の終値に対してプラスの場合は、株価をピンクのサインペンで、マイナスの場合は黄色のサインペンで塗りつぶします。翌日もプラスなら同様にピンクのサインペンで、逆にマイナスなら黄色のサインペンで塗りつぶします。
マイナスの翌日、前日比がプラスになっても、初日の株価よりも低ければ白地のままで残します。さらにその翌日、前日比がマイナスになっても、最初に黄色で塗った株価よりも高ければ白地のままで残し、低ければ黄色で塗りつぶします。1か月が終え、ピンクの日が多ければ株価上昇の月、黄色の日が多ければ株価下落で不振の月ということが一目で分かります。
ダウと日経平均の前日比の項目に丸印で囲んである日が何日かあります。丸印は年初来最高値、史上最高値を更新した日を記録するためです。たとえば、2018年9月はダウが史上最高値を更新した日が20日、21日と2日ありました。20日と21日の前日比を丸で囲みます。10月2日には7営業日ぶりに前日比122ドル高の2万6773ドルまで上昇し、史上最高値を更新しました。前日比の122ドルを丸で囲みます。これで、ダウの騰勢ぶりが一目で分かります。
一方、日経平均は2018年10月1日の終値は前日比125円高の2万4245円でした。年初来高値です。それだけではありません。バブル崩壊後に株安が進んだ1991年11月以来、ほぼ27年ぶりの高値です。前日比の125円高を丸で囲みました。翌日の2日も終値は前日比24円の小幅高でしたが、2万4270円で年初来高値を更新したので24円高を丸で囲みました。
9月の記録をみると、13日に前日比216円高を記録して以来、8営業日連続で続伸していることが分かります。続伸日数が多くなると、過熱感が出てきます。「明日当たり自律調整で下落するのではないか?」と不安になります。
過去のケースを調べてみると、2017年10月に初日の2日から24日まで土日を挟んで16日間続伸しています。16営業日続伸は東京市場開設以来最長の記録です。それまでの最長続伸記録は約半世紀前、所得倍増計画を掲げた池田内閣時代の1960年12月21日から61年1月11日までの14日間でした。